HyogoKurumi.Scribble

私はこの社会が省略した事柄を言語化している人です。

制作日誌 No.4:準備期間

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 プロジェクトは年明けの一月一日から始動することにした。二○一五年はあと十一月と十二月のみ。残り二ヵ月の間にできるだけ準備する。  活動拠点となるサイトはfacebook上に作成した。告知や動画などのコンテンツをここで提示し、宣伝はtwitterを利用する事にした。映画公開までにできるだけ活動の存在を広めて支持を集める。facebookは個人アカウント用ではなく企業や団体用ページを作成できるサービスを利用した。個人用アカウントは持っていたけどそっちの方はこれで初めて知ったということもあり、機能把握にやや時間を要した。
 作成後、どちらにも挨拶と準備中である旨を書き込み、あとは放置した。
 この頃はこの二つがあれば大丈夫だと思っていた。
 活動のメインはインタビュー動画の収録と編集になると想定していた。
 ネット上ではfacebooktwitter上で、匿名投稿型のテキストインタビューの掲載や投票機能を利用したアンケートを実施。映画の収録映像の一部を使った映画の予告編や、ネット公開用の動画も打ち出していく。自分も本業の仕事があるから「片手間にできるレベル」で活動内容を考えた。

 あとは動画編集スキルの習得だった。これから映画を制作しようというのに、実は私は動画を編集した経験が一度もない。十年くらい前に無料ツールflash動画を制作した事はあるけど画像と文字を動かしただけで特殊な事はなにもできなかったし、だいたいあれは動画とは言い難い。ゲームのプレイ動画をニコニコ動画にアップした事はあるけど、映像内容を編集したことはない。私にとって動画編集とは高度な技術だ。
 このプロジェクトで制作する映画は、収録と編集を全てiPhoneでやる事にしているので、頼みの綱は動画編集アプリだった。
 人気の動画編集アプリをダウンロードし、室内の様子を適当に撮った動画を使って試しにいじくってみた。タッチとスワイプ操作がとても快適で操作はすぐに覚える事が出来た。どのアプリもdropboxと連携できた。素材のデータ移行の手間もかからない。
 私はネットで小説などの創作活動をしているので、一通り機能が把握できたあとは、小説のイメージPVを練習のつもりでいくつか制作して、本番に備えることにした。

 映画の制作は全てiphoneで行うと言ったが、それは使用する映像の収録と動画編集の事であって、音楽や画像は別だ。このへんの線引きを言うと、守らなければいけないラインは「スマホだけでもここまで作れる」ということであり、それを越えなければ制約には違反しないと考えている。例えば、データのバックアップはどう考えてもパソコンを頼った方がいいし、素材となる音楽や画像も「iPhone上で作るか、iPhone上からダウンロードするか」という違いの範囲の事ならパソコンからやっても同じで、これも制約違反にはならないと考えている。

 これらの準備を進めながら、私は自分が所属していた発達障害の当事者グループの集まりにも再び参加し、そこでプロジェクトの話をした。活動紹介と映像出演の誘いである。そして、リーダーにはメンバーの脱退を申し出た。このプロジェクトは私個人でやるものだが、第三者は関係性や繋がりを意識するだろう。メンバーのままだと何かの拍子にグループ側に迷惑をかけるかもしれない。

 準備期間中にやっていたことは大体こんな感じである。  そうして十二月二十八日、facebookにて正式に映画の制作発表を行った。  活動名は『空のとびかた』プロジェクト。

 私はこれまでの半生の中で、どうすれば、この社会で生きていけるのか、どうすれば普通の人のようになれるのか、その答えをずっと追い続けてきた。それらは雲をつかむような話で「まるで空のとびかたを考えているようなものだ」と思ったことがあった。その気持ちをそのまま名称に使うことにした。

 改正障害者雇用促進法が施行されることで、精神障害者と就労の距離は今よりもっと近くなる。どうすれば皆が手を取り合える社会が形成できるのか――これからは、皆が空のとびかたを考える社会になるのだ。