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HyogoKurumi.Scribble

私はこの社会が省略した事柄を言語化している人です。

【第3話】4/14(月) 雨~晴 『足りないものはイメージ』

【2008年_放浪の歩き旅】
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hyogokurumi.hatenablog.com



4/14(月) 雨~晴 『足りないものはイメージ』

 PM7:30。豊橋市にある「ビジネスホテル三井」の一室にて。
 今日の事を綴る前に、まず昨日の事をきちんと書きたいんだ。「岡崎城」を出発した所から書き直したいと思う。

 しばらくの間は、周囲の建物を見ながら国道1号線沿いをのんびりと歩いていた。でも、じわじわと道幅は狭くなっていき、すぐ傍をでかいトラックが走り抜けていくようになった。
 走行するトラックの出す爆音、排気ガス、気が滅入りそうになったので、道を1本外れて、国道1号線を走る車の音を頼りに歩く事にした。
 国道沿いに歩いたり外れて歩いたりしながらトコトコとひたすら歩く。『体が少し黒くなってきたかなぁ』と思い始めた時に「ダイソー」を見つけたので「下敷き」と「トランクス」と「精密ドライバー」を購入した。「下敷き」は日記ノート用だ。「トランクス」は汗疣(あせも)対策だ。チクチクヒリヒリして痛くてたまらん。だから頭の中は尻の事でいっぱいだ。根本的な原因は私が汗かきだという事。腕や首は風を当てれるけど、厚いジーパンの奥にある尻はどうにもならない。体質改善は今後のテーマとして、せめてトランクスを薄い生地にものにしようというわけだ。「精密ドライバー」はメガネ用。ネジがユルユルになって落ち着かなかった。

 さらに進行すると、でかい看板が目に止まった。
『一畑山薬師寺・・・温泉!?』
 ちょうど、風呂に入りたいと思っていた所だ。
 この寺を目指す事にした。

 歩くペースが遅くなっていた為か、辿り着く気配は全く感じ取れなかった。そろそろ何か見えてくれよ、いやまかさ、もう通り過ぎた?
 何気なく道を変えたら、駅が見えた。その駅にそびえ立っている看板を見ると「一畑山薬師寺」と書いてある。おおっ!良かった。気紛れで道を変えなかったら通り過ぎていた。

 「藤川駅」に着いた。看板を確認すると、下のほうに「下車駅」と書いてある。なんだ、薬師寺の下車駅か。
 付近には案内板のようなものも無い。
 先ず腰かけて一服。
『(タバコもうやめなくちゃなぁ・・・)』
 灰皿が無かったので目先の家でタバコを吸いながらペンキ塗りをしているお兄さんに声をかけて灰皿を使わせてもらった。

『すみません、ちょっといいですか』
『はいー。』
『あの看板、やくしでら?ですか?』
『あぁ、やくしじ。』
『この寺って温泉は入れるんですか?』『行き方とかわかりますか?』

 話はスイスイと進み、行き方や、坂を登る事を教えてもらった。なんだ、駅には行かず直進してれば良かったんだ。

『ありがとうございました』
『お兄さん、どこから来たの?』
『・・・名古屋からです』
『わっはっは』
『(笑)ただの道楽です。・・・でわ』

 私はウソをついた。でもこれでよい。
 本当の事を話すところじゃない。

 名古屋を出発してから、こんな風に人と話したのは初めてだった。
 足取りも軽くなり、薬師寺へと続く坂に来た。
 ここから寺まで、どれくらいの距離があるのだろうか。お兄さんは徒歩じゃ無理みたいな事は言ってなかったから、辿り着けない距離じゃないんだろうけど。

 汗でヌルヌルの体、排気ガスで黒っぽくなった腕。登ってみたいという好奇心。寺の風呂だからどうせ無料だ。もし入れなかったらビジネスホテルに泊まろう。尻がチクチクする。風呂入りたい・・・。
 歩道は途中から石段になった、・・・大丈夫、少しだけさ。と思い込みながら登ったはいいが、頂上は全く見えず、一歩一歩はすぐに苦痛になった。

 石段を登り始めてからどれくらいの時間が経過しただろうか。
 ベンチが置いてあった。・・・だいたいこういう休憩ポイントって半分くらいのポイントにあるんじゃないか?てことは、まだ半分?
 考えるのをやめたくなった。と、その時、上から人が下りて来た。
 寺から下りて来たのだろう。私は頂上までの距離を尋ねる事にした。
『あのー、すみません。頂上まであとどれくらいでしょうか?』
 すると、先頭を歩いていたお姉さんが、後ろの二人に、まるで小さな子供に問いかけるかの様な口調で、私の質問に答えるように促した。
 おじさんは「わからない」と答えた。隣の女性も知らないようだ。
 それでもお姉さんは、よく思い出してみて、という感じで何回も問い直す。
 ・・・多分、「発達障害」系なのだろう。お姉さんは付き添いか。後ろの二人がそうなのか。状況の流れはお姉さんに委ねつつ、『お風呂は入れましたか?』など、他の事も聞いてみたが、何も分からなかった。残念。

 3人の姿が見えなくなり、私も出発する事にした。すると、5分程で頂上に着いた。よし!風呂だ!と、入口から建物へ入り、少し奥まで進むと、いかにも風呂上りって感じの人がたくさんいた。良かった!入れる!

 まずはカウンターで祈願をしなければならないらしいので行ってみると、入浴料金が「1500円」もする事がわかった。500円くらいは覚悟してたけど1500円とは・・・。悩みつつも体は祈願用紙に必要事項を記入していた。祈願してほしい事を3つ選んで○で囲むのだ。私は「健康」「交通」そして「旅行」を選んだ。

 料金を支払い、ドカドカとロッカーへ荷物を詰め込んで、すぐに風呂場へ行った。何も考えずただ、がむしゃらに洗いまくった。風呂から上がった後はのぼせて倒れそうになった。

 風呂から上がった後は休憩所で「うどん」(300円)を食べた。美味しかった!


 リフレシュした。体も心も100%の状態だ。私は荷物の整理をしながらこれまでの事を考えた。『(あれもこれも、必要無い!自分は何をやっているんだ!・・・確かにその度叶えたい事は叶えられている。風呂だってもし入れなかったとしてもビジネスホテルに泊まっていただろう。でもそうじゃない。こんな調子じゃ駄目だ!)』

 地図を確認して、今日中にたどり着けそうな所を探した末、「法蔵寺」を目指す事にした。今日はここで野宿だ。途中で雨が降ってきたけど温泉でリフレッシュできた為か、頭は冷静だった。『(一日100円、今の自分には無理だ。全てを見直さなくちゃいけない)』
 法蔵寺に着いた頃には、辺りは暗くなっていた。

 今日はここで寝るんだ。生まれてはじめての野宿だ。
 ・・・なんで寺なのかっていうと、駅とか人の多い所で寝るよりは寺とか神社の方が安全だと思ったからだ。
 日記を綴っていると雨が強くなってきた。これ以上は書けないと判断して途中で書くのを中断した。
 寝る前に、一言断りを入れておこうと、寺内建物のインターホンを押した。おばちゃんが出てきた。

 旅中という事情を話すと、別にええよーという感じで了解してくれた。
 さて、どこで寝ようかと思っていると、今度はおじさんが出てきた。髪の毛はフサフサ、管理人だろうか?
 このおじさんと少し話をした。
『目的はあるのか?』
『ええ、もちろんです』



『一応、仕事のつもりです』
『・・・し、仕事?』

 そう、これは私の仕事なのだ。私だから出来る、私が自分で決めた仕事なんだ!

 屋根の下の下駄箱の所で寝る事にした。・・・結局、中には入れてくれなかったなぁ。

 体勢の調整をしながら眠り易い形を探した。とても冷えてきたので雨合羽を羽織ってみると、冷たい風をほぼ遮断する事が出来た。
 良かった。これで眠れる。大丈夫だ。

 覚悟はしていた。野宿はなれるまで大変な思いをするだろうと。
 初野宿が雨で、しかもドシャ降りで・・・。
『(くそぅ、何悲しくなっちゃってるんだ。自分が理解したかったのはこういう事じゃないのか!?)』
 数え切れない程の思想が頭を過ぎっていくのを感じた。今までの人生、父母や弟、友人知人、そして「人」・・・。
 少しだけ涙が出た。
 泣いて涙が出たのは10年ぶりくらいか・・・。

 寝る体勢に入ったのが8時頃。今は9時過ぎ。私はようやく眠についた。


 ――ここまでが、昨日の事だ。色々な事があって、色々な思想が過ぎっていって、ちゃんとかけなかったんだ。でも見ているだけじゃ理解らなかった事が少しだけ理解かった。だから今日改めて書き直したかった。

 んじゃ今から今日4/14の事を綴ろうと思う。



 ――朝5時起床。雨は振っているけどかなり明るかった。一度目が覚めてしまったけどトータルで6時間くらいは眠れたと思う。
 私は出発する事にした。

 体が軽い。尻は相変わらずだけど、これからは無理をしてでも眠らなくちゃな。
 コンビニで朝食を食べた後、2時間程歩き「豊橋市」に入った。

 リサイクルショップがあったので私は「携帯ガスコンロ」と「釣り竿」を売却した。500円になった。
 レジに立っていたのはおばあちゃんで、少し話をした。
 シーズンごとに1~2人くらい旅の人がが店に来るそうだ。
 九州まで歩いていくとか寺に泊めてもらうとか。寺か、みんな考える事は同じか(笑)

 店を出ようとしたらコンビニのパンをくれた。
 ありがとう、おばさん。

 近くにあった神社で頂いたパンを食べて出発。
 川沿いを歩いていたら薬屋さんがった。

『わかりますか!?この尻の気持ち悪さが!』

 店のおばちゃんは大笑いしてくれた。
 1400円と少し高かったけど汗疣以外にもよく効くという「強力キクリウ」という皮膚軟膏を購入した。

 それから30分程歩き「豊橋駅」に到着した。
 でかい町、でかい駅、今日はここでビジネスホテルに泊まるんだ。

 コンビニに立ち寄りホテルの情報を探ろうとするが何もわからない。どういう雑誌に載っているんだろう。
 携帯電話で友人にネットで調べてもらったが、教えてもらった一泊3000円のビジネスホテルの電話番号は違う所に繋がった。もう無いのだろうか?

 本屋に行き、「るるぶ」という雑誌を見ると、ホテルの情報が載っていた。
『(安くても5000円台か・・・)』
 せめて4000円台がいい。「マクドナルド」の近くで「PSP」を使いネット接続を試みると、パス無のアクセスポイントを見つけた。よっしゃ!持ってて良かったPSP(笑)

 そして見つけた「ビジネスホテル三井」。一泊4250円だ。
 時刻は3:30になろうとしていた。

 少し迷いながらもなんとかホテルに到着。チェックインが4:00からだった為か入り口は閉まっていたけど、すぐに中の人が出てきて中に入れてくれた。夫婦で経営しているのだろうか。優しそうなおじさんとおばさんがいた。旅の者である事を言うと喜んでくれた。

 部屋で荷物を置きすぐにシャワーを浴びた。
 シャワーを浴びた後は早速「キクリウ」を試してみる事にした。
『(ウホッ・・・しみる)』
 明日には治ってるといいなー。

 一服したあと、荷物を分別した。「いるもの」「いらないもの」「どうでもいいもの」・・・。
 ホテルを出て道中で見つけた100円ショップで必要になった物を買い込みホテルに戻った。

 まずは選択。洗面所に水を溜め、洗濯用の洗剤を少量入れ、服を手で揉み洗いするのだ。フフフ、この方法は去年、自動車免許の合宿の時、仲良くなった友人がやっていた方法だ。・・・洗濯所が共同で戦場のような状態だったのさ。
 洗ったら泡が出なくなるまでしっかりと洗い流しよく絞って干す。明日までには乾いてるはず・・・。

 コンビニで買った食事を取り、風呂に入って日記を綴る事にした。


 ずっと考えていた。旅のライフスタイル。この2日間での体験が大いに役に立った。不確定要素がたくさんあるのは仕方ない。でもそれは想像力で解決できる。
 今の私に足りないのは、足りなかった事は「イメージ力」だ。

・金の使い方
 財布の中には3755円と、非常事態用の1万円札。
 残りは通帳へ入金して、そっちは149797円。5月5日には最後の給料が9万円程入金されるので、24万円前後にはなる。
 ・・・1日100円。今の私には無理だ。キリの良い金額を考えた末、500円×1年で182500円。悪くない金額だ。通帳の金は使いたくなかったが、そういうレベルの問題ではない! まずは500円から少しずつ上手にやりくりしていくんだ。

・野宿と宿泊と風呂
 基本的には野宿だ。1日500円から少しずつ金を貯め週に一度は風呂、半月に一度はネカフェ、月末にはビジネルホテルでその月のまとめ・・・。これを目安に考えていこう。

・ルート、移動距離
 国道は頼りにするが一本道をはずれでも、排気ガスの少ない道を通るべきだ。そうしないと一日で体は黒くなってしまう。
 移動距離は1日5時間20km進行。疲れがピークに達する前に休みながらのんびりと行く。

 七月の中頃に東京へ到着すればいいんだ。
 そして東京に着いたら・・・。

 また泣きなくなった。いや、昨日もそうだった。泣いてないのに涙が流れた。

 自分だから出来る、自分で決めた自分の仕事。私は今それを叶えているんだ。

 本当はもっと綴りたい思いがいっぱいあるけど今日はここまでだ。眠い、疲れた。

 明日からも、もっとたくさん感動しなくちゃ。


■写真
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■実際の日記ページ
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