HyogoKurumi.Scribble

私はこの社会が省略した事柄を言語化している人です。

【第6話】4月17日(木) 雨 「少年」

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 成人発達障害へ にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 自閉症スペクトラムへ にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 発達障害グレーゾーンへ



hyogokurumi.hatenablog.com



4月17日(木) 雨 「少年」

 昨日はデニーズを出てからジャスコへ行って地図を買った。
 マックスマップルの「全日本道路地図」だ。3200円とかなりの価格だったが今使っている日本白地図帳は徒歩の旅向きじゃないと判断した。…色々書き込み易いのはいいんだけどね。
 新しく買った地図を少し読んでみると「道の駅」が思っていた以上に各地に点在してる事がわかった。…ははは、道の駅って浜名湖周辺の観光スポットの名称の事かな?って思ってた。

 この地図があればもう大丈夫だ。少し気持ちが軽くなったところで、寝床探しを始めた。…2時間近く彷った末、多目的公園の亀崎公園に到着。最初からここを目指してりゃ良かったんだ。
 明日から雨が降る様なので屋根付のベンチで寝る事にした。

 寒かった。風邪を覚悟した。枕のお陰で2時間程で眠りにつけた。
 そして起床AM5:00――。

 3時間くらいしか眠れていない。けど目は覚めている。それにしても寒い。寝ると体温が下がるらしいけど、こりゃたまらん。風呂にでも入って温まりたい。

 ベンチに座っていると散歩中のおじさんが挨拶をしてきた。

『あのー、この近くに温泉か銭湯はないでしょうか?』

 おじさんは「ごくらく」という温泉の場所を教えてくれた。
 歩いていける距離だ。しかも今日は半額で300円らしい!
 これは行かねば。
 旅中である事を明かすと、車で「道の駅」を巡った事などを話してくれた。楽しい会話だった。おまけに貴重な情報を得た。

 おじさんいわく、「道の駅」ではよく寝袋で野宿をしている人を見たという。座敷がある所や、無料の温泉がある道の駅もあるようだ。

 …やはり…そうか。昨日、地図を見ていた時に考えていた。
 道の駅を毎日の目的地にしながら進行すればいいんじゃないか、と。

 「ごくらく」の方へ向かいながらさらに考え続ける。
 …テント…寝袋…。あれば便利だ。しかし、重たい。でも移動距離次第で…。いや、これ以上の余計な出費は…。
 いや、待てよ?収入さえあれば…収入…。収入を得る方法…。あっ…あった。でもこれって上手くいくのか?…私の能力次第か…。というかむしろこの方がより旅の目的を生かせるし、理にも叶っているのでは…。

 私の旅の目的。主となっている複数の動機を統合すると、
『もっと良い仕事が出来る人になりたい』だ。

 だからこの旅も日記も私にとっては「仕事」なのだ。
 東京に行ったら仕事をする事も、旅行中にまとまった収入を得るという目的もあるが、「私の仕事」として、必ずやりたい事なのだ。

 いいじゃないか。やってやろうじゃないか。いや、やるべきだ。
 今後は道の駅を拠点にしながら移動するとして…。

 必要な装備品は…。

 現在、AM10:00。昨日、日記を綴ったデニーズにて。
 私の旅がいよいよ本格始動する。…多分。


 ジャスコへ行き、ヴィレッジヴァンガードで肩にかける「ショルダーバッグ」を購入。そして、先日も立ち寄った「CAINZ HOME」で「テント」と「寝袋」を購入した。最後に100円ショップ「Seria」で「スケッチブック」と「マジック」を購入。
 よし、準備は整った。

・ショルダーバッグ 2980円くらい
 今背負ってるリュックに「テント」と「寝袋」が入るのでもう一つカバンが必要だった。

・テント(2人用) 7980円くらい
 リュックの中に収まるテントがこれしかなかった。バイクの二台に乗せれるツーリング用って感じ。

・寝袋(ジュニア用) 1280円くらい
 全身を被う必要は無いので、160cmの子供用の寝袋を選んだ。
 リュックのスペース確保の為でもある。

・スケッチブックとマジック 210円くらい
 …何に使うかは秘密だ。

 
 正直、テントと寝袋の購入には抵抗があった、重いし、どこでも使えるわけじゃないし。〝それが無くても問題が無い所を探して眠ればいい"という理想を毎日叶え続ける、できるさ、と考えていた。でも現実的にそれはとても難しく、仮にいつかは出来る様になるとしても、それまでに体を壊すのがオチ、と考えた。実際に昨日はやばかった。
 購入を決意した最大の理由が「道の駅」。20km~30km間隔で点在している事がわかった。
 道の駅、スケチブック、テントと寝袋…。そして私の能力。
 これらを利用すれば、一日500円の生活が、美味しいものを食べながらの生活が出来る…っ!


 旅の理念にも反しない。むしろ、この方が正しく旅を続ける事が出来る!

 …あっ、そうだ。「ビン」を買わなくちゃ。忘れてた。


 「ごくらく」へ向かう途中、コインランドリーを見つけたので服を洗濯した。綺麗な服が一着も無かったのだ。
 そこで車で旅行をしている夫婦と話をした。何の変哲も無いコインランドリーの中は少しの間だけ賑やかになった。

 「ごくらく」、改め「極楽湯」に着いた。時刻は6時になろうとしていた。
 おじさんの言っていた通り今日木曜日は300円だった。(男性)
 雨と強風の中、頑張って来た甲斐があった! さて…、足の指が痛いわけだが…。

 どうりで、巨大な水ぶくれが出来ている。歩いてる最中に破れるくらいなら…と、入浴中に爪で破っておいた。
 入浴後は懐かしさに負けてラムネを食んだ。子供の項、中のビー玉はでっぱりにひっかけて飲む事に気が付いた時の感動を思い出した。

 一息ついた後、破った水ぶくれをなんとかする為に「整体マッサージ」のカウンターの人に頼んで絆創膏をもらった。

『ケガをされたのですか?』
『あ…、いえ、そうじゃないんです』

 旅の事を明かすと驚いてくれた。正直大した距離は歩いてないと思うんだけど…。

 200円のマッサージ機を利用して体をほぐした後、食事所で当店自慢の「十勝そば」(ざるそば/田舎)を食べた。そして今、日記綴っている。

 時刻はPM7:30。さて、どうしたものか。

・外は雨。明日も雨。
・道の駅に続く道に早く乗りたい。
・今日は明日からの本格始動の為に野宿は嫌だ。
・極楽湯は夜中の3時に閉まっちゃう。

 …20分程、地図と睨めっこした。ウホー!地図っておもしろい!
 …ふーむ、「道の駅」の情報がもっとほしいな。温泉有りとか。
 …お、地図の後の方のページに少し載ってる。こりゃありがたい!
 …うーん…、この際ファミレスでも良いんだがなー。

 PM8:30。まだ決まらない。明日のゴールは決まったんだが。
 道の駅「掛川」。明後日は道の駅「川根温泉」と…。
 うん、やはり浜松駅を一度クッションにしたほうがいいな。

 ここから一番近いと思われる「たかつか駅」を目指す事にした。
 …多分、南側に進んでいればすぐに着いていたのだろう。
 でも、北側にコンビニの看板があったから、そこで現在位置の確認をする事にしたんだ。

 「極楽湯」から歩いて5分程度、コンビニに着いた。
 …と思ったその時、子供が泣きながら歩いていた。今は夜の9時だ。別に問題無いで済む時間帯じゃない。

『どうしたの?』
 私はすれ違いざまに話しかけた。少年は泣きながらこちらをじっと見つめた後、口を開いた。

『お母さんに、置いてかれた…』
『…へー、置いてかれたの~。』

 あぁ、もう。笑えない出来事だ。旅が始まって今日で6日目。いよいよ始まったか。
 少年いわく、コンビニで買い物を終えた後、〝お菓子を食べちゃった"事が原因で母親に怒られてしまいい、コンビニに置き去りにされてしまった様だ。で、歩いて20分~30分の家まで、一人で歩いて帰るつもりだったらしい。
 20分~30分か。母親が迎えに来る事を考えると、歩いて帰るには微妙な時間だ。一応、少年は歩いて帰るつもりだった手前もあるので、家まで送ろうか?という提案もしたが、少年は答えを出せなかった。ま、私は知らない人だしな。

 少年の意思はさておき、こんな暗い夜道を少年が一人で歩いて帰るなんて良い事だとは思わない。お母さんはきっと迎えに来るよと少年を宥め、コンビニで一緒に待ってあげる事にした。

 雨と風の中、少年はじっと道路を見ていた。
『お母ちゃんが迎えにきたら、「ごめんなさい」って謝るんだぞ』
 少年は頷いた。『わかってる』と聞こえた様な気がした。

 寒そうな服装だった。少年は少し震えていた。私は雨合羽を着せてあげた。ついでに暖かいお茶を買ってあげた。
 旅の話をして少しでも気を楽にしてあげようとしたのだけれどあまり興味は無いようだ。残念。
 そして20分が経過した。母親の迎えは無い。車なら5分程度でここまで来れるらしいが、子供に反省させる為だとしてもこれは長いな。さて、どうするか…。家の電話番号はわからない。今までにも置き去りにされた事が何回かあったという事。なんだかんだで何十分後かに母が迎えに来てくれたという事。眉間のケガは「ぶつけた」という事。弟がいるという事。小学四年生という事…。

 少年との会話から得た情報を繋げていくと、この子はもしかしたら…という家族状況をどうしても想像してしまう。少しずつ嫌な雰囲気が強くなっていくのを感じた。…無視できるレベルか?いや、マズイ。この状況はいつまでも続かない。時間が経てば経つ程、警察絡みになる可能性は増加するし、この現場を去る機会も限られてくる。いつまでもここにいるべきじゃない。私まで保護されてしまう。少年をまた一人にするのも駄目だ。

 9:30。コンビニの店員に状況と事情を説明した。
 …これで良い。

 少年に私はもう行く事と、コンビニの人の世話になる様に伝えた。少年は頷いた。『わかった』と聞こえた様な気がした。

 コンビニを後にし、私は考える。
 少年は今、バックヤードでパイプイスに座りながら見知らぬ人と一緒に母の迎えを待っているのだろう。

 …少年は今、どんな気持ちなんだ。


 しばらく歩いて、自分が駅を無視して歩き続けてしまっている事に気がついた。しまった。もう通り過ぎて…、いや、行き過ぎか?
 雨は中~弱程度の強さだが、風が厄介で、今日買ったばかりの折り畳み傘が今にも風邪で壊れてしまいそうだった。これ以上の移動は…、しかし野宿も難しい。テントを張れそうな場所は無いし、張ったとしても風で飛ばされる。
 とにかく建物に入ろうと近くに見えたパチンコ店に避難した。
 丁度、換金所の前だった。…ここにいれば…よし、やるか!

 少し待って、中年程度の夫婦が出てきた。

『あの~すみません』

 駅までの道を尋ねつつ、自分の状況を明かす…。悪くない空気だ。
 これなら…っ!

『あのっ、駅まで乗せてってくれませんか?』


 …断れた。ま、仕方ないよな…。

 どうやらここは私が目指した「たかつか駅」と「浜松駅」の中間辺りの駅らしい。
 今日、宿にする予定のネカフェは24時間営業している。浜松駅までは30分~40分程度、足の指の水ぶくれは今のところ痛みは無い。

 温泉でリフレッシュできたからだの爽快感は諦めて歩く事にした。

 合羽を羽織った丁度その時、スーツ姿のお兄さんが話しかけてきた。
 さっき換金所で夫婦と喋っていた時、同じタイミングで換金してた人だ。
 話は聞いていたのか、駅まで送っていってくれるそうだ。やった!

 車の中で旅の事を少しだけ話した。楽しんでくれたかなぁ。

 「浜松駅」には5分程で到着した。お兄さんに別れを告げ、歩いて5分程度の所にある「メディアカフェ ポパイ」に向かった。


今日のルート│静岡県亀崎多目的公園 → 静岡県浜松市メディアカフェポパイ
残金│財布:12184円(ネカフェ代引済)
通帳│110797円
教訓│街中での野宿は難しい
メモ│・ビンを買わなくちゃ・「バスタオル」もほしい・衣服を洗濯しなくては。・愛知銀行で通帳記入する・日保ちする食料の確保


■写真
f:id:hyogokurumi:20160519213709j:plain:w100  f:id:hyogokurumi:20160519213711j:plain:w100  f:id:hyogokurumi:20160519213713j:plain:w100  f:id:hyogokurumi:20160519213717j:plain:w100  f:id:hyogokurumi:20160519213719j:plain:w100  f:id:hyogokurumi:20160519213721j:plain:w100  f:id:hyogokurumi:20160519213726j:plain:w100  f:id:hyogokurumi:20160519213727j:plain:w100 


■実際の日記ページ
f:id:hyogokurumi:20160519214649j:plain:w100  f:id:hyogokurumi:20160519214325j:plain:w100  f:id:hyogokurumi:20160519214346j:plain:w100  f:id:hyogokurumi:20160519214409j:plain:w100  f:id:hyogokurumi:20160519214429j:plain:w100  f:id:hyogokurumi:20160519214452j:plain:w100  f:id:hyogokurumi:20160519214518j:plain:w100  f:id:hyogokurumi:20160519214542j:plain:w100  f:id:hyogokurumi:20160519214602j:plain:w100  f:id:hyogokurumi:20160519214629j:plain:w100 


hyogokurumi.hatenablog.com