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HyogoKurumi.Scribble

私はこの社会が省略した事柄を言語化している人です。

【第21話】5月6日(火) 大快晴 『新生 旅の話屋さん』

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5月6日(火) 大快晴 『新生 旅の話屋さん』
―その「瞬間」が自分を引き止める。そんな感覚がふと頭を過ぎる事がある。日常の中で何度も感じた事があるし、旅中だと道の駅「掛川」の二日目の朝、子供を連れたおじいさんに「うちに泊まっていくか?」と言われた時が記憶に新しい。
 家がかなり遠い所だったので断ったが、〝今日はどうしても掛川を離れたくなかった〟と綴った通り、あの時も私は引き止められていたのだ。

 私は〝何かが起きる〟と、それを感じ取り、寝床の確保をやめてしばらくの間、起き続ける事にした。

 ボーッとしているのも退屈だったので、携帯電話のメールをチェックしようとしたら、携帯充電器が反応しない。旅の初日に名古屋で買ったこの充電器、接触不良だかなんだかの理由だろうか、もともと反応が悪かったのだが、ついに取り付けても充電されなくなってしまった。

 仕方なく道の駅「さかい」のすぐ隣にあるショッピングモールで別の充電器を購入した。道の駅に戻り、早速充電器を取り付けてみると、携帯の赤いランプがすんなりと光った。

 良かった。今度のは大丈夫そうだ…、と思っているとバイクが爆音を鳴らしながら道の駅に入って来た。

 そして、私が寝床にしようと思っていた辺りからひょっこりと若者が現れ、二台のバイクの乗った若者達と合流したようだ。

 危なかった。あそこで寝ていたら…。

 バイクの若者達はしばらくの間、敷地内を走り回った後、どこかへ行った。私は少し様子を見た後、もう戻って来ないと判断した寝る事にした。

…とにかく寒かった。「アグリパーク」でバイクの旅人から貰ったお古のマットのお陰で地面の冷たさは感じなかったけど、風の冷たさは寝袋だけでは凌げず、被う様に雨合羽で体を包み込んだけど、寒さは解消できなかった。

―駄目だ。寒くて眠れない。テントを張るべきか? でもここまで寝る体制を整えてからでは…、畜生!川沿いでテントを張るんだった。

 気がつけば朝方の4時になり、外はうっすらと明るくなり始めていた。私は寝るのを諦めた。
 とりあえず寝袋などを鞄に収納しベンチに移動したが、寒くてたまらなかったので、公衆電話ボックスの中に入り、冷えた体を温める為に缶コーヒーを買った。本っ当に寒かった。

 7時頃に建物の休憩所が開放されたので、そこで今後のコースを考えた。

   東へ進み、道の駅「しもつま」から北上して、道の駅を辿りながら青森辺りまで行けるか?とルートを模索したけど、道の駅同士の間隔が若干離れすぎていた事や、山の峠越えに再挑戦したいという気持ちが強かったので、コースを西へ、埼玉、群馬、長野、東京、山梨に囲まれた「両神温泉薬師の湯」、「大滝温泉」の道の駅を目指す事にした。

―静岡県の道の駅「川根温泉」。狭い歩道、往来する車との距離、そして雨。軽トラに乗ったおばちゃんに拾われ、初の峠越えは失敗に終わった。その屈辱を晴らすかの様に歩いた「はった峠」。達成感は得たけどハイキングコースには違いない。
 そして、私が会得しかけている「我慢」。これをもっときちんと物にしたい。


―歩くのが危険そうなら、ヒッチハイクでもいい。峠越えがしたい…!

 ルートは決まった。とりあえず今日の目的地は道の駅「きたかわべ」だ。…と、出発の前に、風呂に入らねば、今日で6日目だ。さすがに気になる。

 格安で風呂に入れるという「○○○環境センター」は風呂は風呂でも温水プールらしい。水着が必要だ。

 私が水着が売っている事を祈りつつ、センターから一番近いショッピングセンターに行き、開店時間を待った。…が、売ってなかった。

―道の駅のすぐ隣のショッピングモールまで戻るか?いや、少々距離がある。なら駄目元で環境センターに行ったほうが…、そこで水着が売っているかも…。

 「○○○環境センター」に着き、中に入ってみると、プールとは別に「風呂」もある事がわかった。ホッと一安心して受付へ。

『いやー、風呂が別でよかった。水着が無くって。実は名古屋から来たんですよ~。』

『…えっ!?…』

『…?』

『名古屋の方は入れない…んですよ』

 な・ん・で・だー!

 どうやら市町村別に利用者を集計している様だ。
 テーブルの上に並べられた各市町村別の箱の中には、当然名古屋市民用のものは無かった。この地域一帯のものだけ用意してあるのだろう。

 私は一番右端に置かれた「岩井市」という箱を見て、

『じゃあ今日だけは私は岩井市民ということで!』

『あ…はい(笑)じゃあ今日だけ(笑)』

 話のわかる人で助かった。よかった!

 入浴料金はたったの100円。この様な場所を是非とも全国各地につくってもらいたい。

 建物の中は地元のお年寄りで賑わっていた。聞こえた話では二日に一度はここで風呂に入ってる人もいる様だ。
 入浴後、体重を計ってみた。…66.5kgってとこかな。

 道の駅「富士」に行く前に立ち寄った「中島ホテル」の銭湯で体重を計った時は67.8kgだった。1kg程痩せてた。ワーイ。

 座敷で小休止した後に出発した。空は雲一つも無い大快晴だった。

―3:40。もうすぐ道の駅「きたかわべ」に着いてもよさそうなのに、全く着く気配が無い。向こう側から歩いてきた人に道を尋ねた。

『橋を越えて、ずーっと堤防を歩くんだぁ』
『男の人の足だったら…、20分くらいで行けるかもねー。』

 …まさかそこから一時間弱も要するとは思わなかった。

―道の駅「きたかわべ」
 食事処は既に終わっていた。14:00までって、早すぎないかね?

 仕方なく売店のうどんを食べた。ここ「きたかわべ」は手打ちのうどん、そばが名物らしい。これは手打ちじゃない。でも売店のおばちゃんの笑顔で満点の味だった。

 それでも、楽しみにしていた手打ちの料理が食べられなかった事の悲しさと悔しさは大きかった。

 私はタバコを買った。そして吸った。

―二日間我慢してきたのに、何やってんだ!

 金も無いのにタバコを買ってしまった。貧乏旅だと言った私にお金をくれた人達に申し訳なく思った。

―タバコは好きだ。捨てたけど、もともともう二度と吸わないつもりでやめたわけじゃない。

―けど、この旅中だけは、きちんとしなきゃいけない、そんな感覚…。

「ケジメ」。私は我慢を知り、そして今日、「ケジメ」を理解した。


―タバコは体に悪いだって? そんなゴミの様な捉え方はどうでもいいんだ。

 このタバコは買った以上、きちんと吸おう。ケジメの大切さを噛み締めながら…。

 一服を終えた後、「旅の話屋さん」の看板を描き直した。もう「おしながき」のページはいらない。ただ掲げておけばいい。興味本位で話しかけてくれた人と楽しい話ができればいい。なんなら、こっちから話しかけるさ。旅中っぽい人がいたらね。

 もう何もいらない。…勿論、貰えるものは頂くよ?(笑)

 それから自転車のライダーさん達、道に迷ったドライブ(中)の若者3人組、山で渓流釣りをしてきたおじさん…、今日はたくさんの人達と話ができた。

…うん、旅の話屋、大成功!

 自転車のライダーさんからは「ガム」を貰い、渓流釣りのおじいさんからはキャンプ用品に関する知識、そして数々のレトルト食品を貰った。

 明日はここから4km程南下した所にある道の駅「童謡のふる里 おおとね」に行こう。

今日のルート│茨城県道の駅「さかい」→埼玉県道の駅「きたかわべ」
残金│6418円(通帳の残金調整の為、金を下ろした)
バケツ│1150円/16人と1匹
イニシャル│19人と1匹、自転車のライダー3人組


■写真
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■実際の日記ページ
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