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HyogoKurumi.Scribble

私はこの社会が省略した事柄を言語化している人です。

【第22話】5月7日(水) 大快晴 『満腹感』 ※5月8日分含

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5月7日(水) 大快晴 『満腹感』 ※5月8日分含む
 昨夜は睡眠を優先したので日記は書かなかった。今は5月8日の朝だが、出発前に、昨日の事を綴る事にする。

―道の駅「きたかわべ」には24時間開放の休憩所があったのだが、すぐ目の前に「谷中湖」という湖があるので、そこでテントを張った。

 朝、テントを収納していると、土手の上からおじさんが話しかけてきた。

『テント、張ったか?』

―…う、ここマズかったか?

『…えーっと、もう撤収する所です』

 するとおじさんは同じ事を聞き返してきた。
 私はテントを張った事を認めると、

『あぁ、大丈夫大丈夫。…いやぁ、電話があったからさ』

―電話?…「通報」か? いや、そうでもなさそうだ。

 何が大丈夫でどんな電話だったのかは分からなかったけど、近くで工事をしている事を考えると、〝現場外でテントが設営されていたので関係者に確認をした〟ってとこだろう。

 何事も無かったけど次からはもう少し場所に気を付ける事にした。

 道の駅に戻り、食事処でそばを食べようとしたが、開店は10時で、でも「そば」や「うどん」は11時からのようだ。
 座敷に荷物を置き、店内で待たせてもらう事にした。

 座敷にコンセントがあったので、店の人に了解を得て携帯電話の充電をさせてもらった。

―11:00。「もりそば」を食べた。ツルッとしてて、程良い弾力…とても美味しかった。

 道の駅「童謡のふる里 おおとね」までの道中、母から給料を入金したとのメールがあったので、コンビニのATMで確認。残金調整の為に4000円を下ろした。

―通帳残高 130153円。
 給料はもう入ってこない。これが私の旅の残資金だ。財布の中には一万円弱。今日だけはちょっと贅沢しようと思った。コンビニでアイスクリームを買った。

―道の駅おおとね。建物前では花屋さんらしき人達がビニールシートの様なものを組み立てていた。人はまばら。何か妙だ。…あっ!今日ここ休みじゃん!

 第一水曜日は休み…。地図に掲載されている道の駅の紹介ページにも「第1・3水」が休みと書いてあった。休みの日の確認はしてあったのに、5月に入ってから一週間経ってるからって、今日が第一水曜日だとは思わなかったのだ。お馬鹿な勘違いをしてしまった。

 時刻は2:00。まだ時間はある。道の駅「はにゅう」まで行く事にした。

 「はにゅう」は「おおとね」と同じく「利根川」沿いにあるのだが、川沿いを歩くと若干迂回するルートになるので、県道60号線を通る事にした。

 60号線は車の往来もそこそこの静かな道で、とても歩き易かった。でも、若干の疲労感が歩くペースを乱した。…タバコのせいだと思った。吸わなかった2日間は1時間以上歩けたのに。陽射は強いけど暑さは直切の原因じゃない。やっぱりタバコだ。

 気晴しに「おおとね」の自販機で買ったミネラルウォーターのペットボトルを潰したり捩ったりしながら歩いてみたけど30分間歩き続けるのが限界だった。

―60号線を股いでいる高速道路は越えていない。まだ半分以上も距離がある。日暮れまでには辿り付けるけど少々しんどい。

 ふと「道路」を見渡すと、ヒッチハイクの雰囲気を感じた。1分間にトラックから自家用車まで色々な車が2~3台通るだけ。走り易い車道。ここから真っ直ぐ行けば道の駅…。

 私はスケッチブックに『道の駅「はにゅう」』と大きく描き、ヒッチハイクを試みた!道路沿いでのヒッチハイクはこれが初めてとなる。

 最初は車道と歩道の境にあるブロックの上に座り込んでたんだけど、やっぱり「親指」は立てるべきかと思い立ち上がって腕と親指を大きく上げた。そして10分後、一台の車が止まってくれた。

『あ・り・が・とーございます!』

 乗せてくれたのは30歳前後のお兄さん。今日は休日で、最初は通り過ぎたのだけど、気になって戻って来たとのこと。

 「はにゅう」までの10分程度のドライブだったけど、沢山の旅の話をする事が出来た。お兄さんには竹馬で日本を旅した知人がいるらしい。何度か取材も受けて、出版社から声も掛けられたとか。…ちょっとだけ、その人が羨ましいなぁと思った。はぁ、この日記、本にできるんだろうか。

―道の駅「はにゅう」
 お腹はあまり空いていなかったのだけど、食事処に行ってみると、380円という良心的な価格でかけうどん、そばが食えたので注文した。

―うん…美味い! こういったシンプルな味がB級グルメの本道っていうかなんというか。

 いつの間にか和食好きになっている自分がいた。親父は洋食料理のコックなんだけどなー。うどん・そば・そしてまんじゅう…和食は日本の宝だと思う。

 休憩所で荷物の整理をしながら旅の話屋を始めたが、休憩所にはあまり人は入ってこなかった。

 外のベンチに移動したけど、若干風もあった為、私は旅の話屋をやめ、ただボーッとする事にした。

 日が暮れてきた頃、隣のベンチに座っていた若いお兄さんと目が合ったので軽く会釈を交し合った。

―あれ?この人どこかで…? あっ! 食事処の厨房にいた人だ!

『この時期になんでそんなに日に焼けているんだとか、気になってたんですよ』
ペ・ヨンジュンが来たーとか、店の人と話してました(笑)』

 いやー、実は歩いて名古屋から…ってまた「ペ」か!

 私はどうやら「ヨン様」に似ているらしい。もう何年も前から色々な所で色々な人に言われてきた。奴と私のどこか似てるんだろう。

 お兄さんは中国で料理修行などをした経験があって、今はこの道の駅の食事処で料理している様だ。中国語も喋れるらしい。自分より年下なのに、結婚もしてる。

―若者は自分なんかよりもとても大きくみえた。

 他の道の駅で働いてた時の話屋、私の旅の話も交えてずーっと喋っていた。

 お兄さんは、ペットボトルのお茶を買ってくれた上に食事まで用意してくれた。一ヶ月ぶりの満腹感だった。

 …けど、私は全部食べる事ができなかった。恐らくそれぞれ500gは入っていただろう。「牛めし」「焼きうどん」「肉にら炒め」…全部で1.5kgはあったと思う。
 タッパーとか保存できる物を持っておけば良かった。「牛めし」と「焼きうどん」は完食。でも「肉にら炒め」は残り三分の一くらいの所で限界がきた。

―残りをどうするべきか。肉系と汁…恐らく明日には食べられないだろう。これ以上食ったら腹の調子が崩れそうだ。明日食べるのはもっと恐い。

―私は満腹になった。その証に、とても眠い。これ以上、食べるのは体によろしくない。彼の望みは私がお腹一杯になる事。それは十分叶えられた。

 私は残りを処分した。罪悪感も一緒に捨てた。
 これは「悲しい事故」なのだから…。

 そろそろ日記を書こうかなと思っていたら先程のお兄さんと食事を持ってきてくれたアルバイトの若者が店から出てきた。
 お仕事が終ったのだろう。

 夜の11時過ぎまで、3人で夢や仕事の事をずーっと語り合った。良い話だった。だからタバコもまた買った。缶コーヒーも買った。お互いタバコが吸える者同士なら吸いながら喋ればいい。

 酒好きの友人が酒を飲まなくなったら悲しいし、とても寂しいと思う。


―そうだ。…いた、タバコや酒に限った事じゃなくって、「食事」ってのは対話「コミュニケーション」なんだ。
 特にタバコと酒は…そうだよなぁ。

 我慢とケジメは理解した。今日の所は少し金に余裕はあったけど、これからの事を考えるとタバコに当てれる資金は無いと言っていい。

 私は酒の味もタバコの味も知っている。それぞれの席で友人達と語り合った思いでも沢山ある。そこには酒とタバコがあった。

 資金の事を考えるとタバコは諦めるべきだ。でもただやめればいいという単純な事じゃない。私の人との関わり方が大きく絡んでいるからだ。

 もっともっと考える必要がある。

 二人と別れた後、私はテントを張って眠った。この満腹感のまま眠りたかったから。


 夜、腹一杯だからすぐ眠れると思ったのに、なかなか眠れなかった。そして…、ゴゴゴゴゴッ!

地震だ! …震度2~3くらいか?

 …私は地震の来る夜は眠れないか直前で目が覚めるという不思議な体質の持ち主なのだ。

 朝、休憩所で日記を綴りながらニュースを見ていると、昨日の地震の報道が始まった。場所によっては震度5クラスの揺れだったようだ。結構大きな地震だったんだな。

 すると、昨夜のアルバイトの若者が休憩所にやって来た。
…やぁやぁ、おはよう。うん、日記を書き終わったら出発だ。
…え?いいの?わるいねー、ありがとう!

 また食事をご馳走してもらっちゃった。とても嬉しい。けど、ちょっぴり複雑…。日本人の性だろうか、やっぱりね、申し訳ないなって思っちゃう(笑)

―12:00。そろそろ出発しなければ。

 道の駅を発つ前に食事処へ立ち寄ったのだけれど、あの若者はいなかった。厨戻の奥で仕事をしていたのだろう。お昼時で店内も混雑していたので、私は出発する事にした。

 旅を終えたら、今度は旅行でここに立ち寄りたいな。

 さて、今日のゴールは道の駅「めぬま」だ。県道59号線を辿っていこうと思っていたけど、距離の大差はないと考え、「利根川」沿いの土手道を歩く事にした。

 59号線と一緒に流れる用水路を辿り、20号線を北上して利根川へ。用水路沿いの歩道も利根川沿いの土手道も車の往来に邪魔される事もなく、景色を眺めながらのんびり歩く事ができた。

…青々とした小麦畑。少し風が吹くと、素朴な歌が聞こえてくる。…この蝶々達はデート中だろうか? 花の周りでダンスを踊っているようだ。

…崎玉県って〝都会〟ってイメージがあったんだけどそうでもないな。国道4号線はラブホテルの看板が妙に沢山合ったし、「埼玉市」近辺以外は結構田舎なのかしら。

 気が付けば2時間程ほとんど休憩無しで歩いていた。特に疲れは感じなかった。恐らく、「食事」エネルギーのお陰だろう。食べるなら到着時ではなく出発時の方がいいのかもしれない。

―5:00。道の駅「めぬま」に到着。
 建物2階の食事処で「かけうどん」(400円)を食べた。
 生姜がのっているうどんだった。仄かな風味がなかなか…。

 休憩所で荷物の整理をした後、建物内をもう一度見回ろうと思ったら、おじさんが門を閉めていた。6時で閉まっちゃうらしい。…駅長さんかな。

「はにゅう」で会った若者から、ここの道の駅の駅長さんがすごく良い人と紹介されていたので話しかけてみた。

…ええ、「はにゅう」で出会った食事処の人から、すごく良い人って紹介されまして…。あ、今日はお休みなんですか? 残念です。

『…あそこの休憩所って24時間開放されてるんですか?』

『ええ、あいてますよ。電源もありますよ』

『…それはつまり…携帯の充電しても良いってことですか!?』

『ええ、いいですよ。…「良い人」ですから(笑)』

 いやぁ…もう、ここ最高だ!

 休憩所に戻り、旅の話屋をしようと思っていたら、おじさん達が話しかけてきた。

『すごい荷物だねー』
『旅してるのかい?』

 元気一杯の人達だった。途中から人数が減っちゃったけど、後に残った二人のおじさんと夜の10時頃までずっと喋っていた。

 名物の事や観光名所、ここに立ち寄る人の事や昔の事…。

「老人が一度死ぬ事は図書館が一つ無くなるに等しい」ってことわざがアフリカかケニアにあるらしいけど、おじさん達の会話から知識の豊富さと自分との差を感じた。

―いや、誰でも知ってて当り前の様な事を、私は知らない。
 知らない事が多すぎるんだ。

…もっと勉強しなくちゃ。

今日のルート│埼玉県道の駅「はにゅう」→同県道の駅「めぬま」
残金│7279円
バケツ│1150円+タバコ1本+名刺(たばこと名刺ははにゅうで出会った若者から
イニシャル│24人と1匹/100人 ・YS…ヒッチハイクで「はにゅう」まで送ってくれた人・HS…「はにゅう」の食事処の若者・RA…「はにゅう」の食事処の若者・MN…「めぬま」休憩所にいたおじさん二人・JK…「めぬま」休憩所にいたおじさん二人


■写真
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■実際の日記ページ
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