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HyogoKurumi.Scribble

私はこの社会が省略した事柄を言語化している人です。

【改正法の穴】障害者雇用求人を出している雇用主にお願い!「求人票の給与額を盛らないで!」

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 本記事は下記記事の関連です。


 障害者雇用枠の就職活動で、求人票と雇用契約書の給与額に大きな差があった為、我が家は困った状況に陥ってしまいました。

 一ヶ月かけて面接を行い、計4度も対面して、めでたく採用になったのですが、雇用契約書に承諾することができませんでした。

 理由は、雇用契約書に提示された給与の支給額が、想定よりも少なすぎたからです。

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■想定外の落差……

 記事にも書いたことですが、求人票の内容があくまでも目安であることや、社会事情的には、求人票通りの金額が出ないことはわかっています。下がる傾向にあることも知っています。障害者求人ですから、健常者よりも少なめになることもわかっています。

 それでも、元々は携帯ショップ運営スタッフの業務で21万~30万の求人が、障害者雇用促進と社会貢献を担う業務にスケールアップし、ぜひ一緒に働きたいと、その為にいろいろ話し合いをしたと、そうして手を尽くしてくださった結果、基本給が14万円まで下がるなんてことは、私には想定できませんでした。

 ある人に言わせると、精神障害発達障害者を雇用する際の給与相場は、手取り10万~12万くらいだそうです。障害者年金と合わせて生計が成り立つ金額を想定しているようです。

 私はそういう事を知りませんでした。わかっていれば、この金額は変だな、と思えたかもしれません。慎重になって、どこかで給与額の事を詳しく聞けたかもしれません。


■初めての障害者雇用枠での就職活動が……

 私は33歳ですが、これまでグレーゾーン(障害未診断)のまま生きてきました。31歳の時に発達障害アスペルガー障害の診断がでて、障害者手帳を取得しました。今回が初めての、障害者就労での就職活動でした。

 障害特徴は知識の習得力の低さです。日常の中で自然と理解して習得していく力が弱いようです。誰でも知っているようなこと、世の中の8割くらいの人が知っている事でも知らないのでは、と言われています。

 私には給与21万という仕事はとても魅力的に見えました。下がるだろうけど、下がっても21万の求人に足を運んで始まったご縁ですから、手取り15万前後くらいはキープできる金額に落ち着くだろう、と思えました。今回の面接ではお仕事の難易度も上がったから、極端には下がらないだろうと思っていました。


■無駄になった「転職活動資金」……

 求職活動は今年8月末頃から始めました。それまではネットショップの自営業をしていました。でも、そちらの仕事で市場状況に急激な変化があり、自分の力では継続が困難となりました。元々、ずっと赤字状態でした。でも、事業成長の見込みがあったので、嫁と相談しながら、借金をしながらなんとか続けていて、そしてやっとのことで、黒字転換できる最後の一押しの段階までこれた矢先の出来事でした。

 こちらは埼玉ですが、実は熊本の地震でも影響を受けました。もう駄目だを何度も乗り越えてきましたが、今回の市場変化の影響は大きすぎて、前進する決断ができませんでした。

 そして私はここが限界と定め、就職の道を歩む為、なんとか二ヵ月分の生活費を工面しました。転職活動期間に当てる生活費です。流石にこれだけあれば大丈夫だと思っていましたが、その後半、一ヶ月分の資金を無駄にしてしまいました。二次面接のあたりで給与額についてきちんとお話しして下さっていれば、半月以上はまだ期間があったので、余裕をもった対策を練ることができました。雇用契約書に承諾することだって、できたかもしれません。

 生活費に余裕がある中で求職活動をしている人には、大したことではないかもしれません。でも我が家にはもうあとがない最後の余力のお金でした。

 過去の判例からみて、会社に損害賠償は請求できるだろうけど、請求できるのは面接などに足を運んだ際の交通費や、その回数を日当換算した程度の金額です。

 本当は無駄になった一ヶ月分の生活費、もとい、転職活動資金を返してほしいです。でもその請求はとても難易度が高いことなんです。

 普通の方は求職活動が上手くいかず、生活費が底をついた時どうするんですか? 実家に帰るんですか?

 私はそういう選択ができません。親からお金を借りる事もできません。親の手から自分の資産を守る為です。

 自営の売上から車のローンや借金の返済金を作っています。でもこれのせいで頼れない制度もあります。売上(収入を得ている方)があるし、失業者でないせいです。
 自営を止めればいくつかの支援を頼ることができます。でもあらゆるローン返済を、給与の方から捻出しなくちゃいけません。それは余計に生活難易度があがります。
 在庫をセール処分するにも期間が必要ですし、売ったとしてもその収入自体が、支援を受ける為の基準に引っかかる事もあります。
 全破棄だけは避けたいです。小売業にとって在庫とは、もし事業が失敗した時でも、借金だけは残らないようにする為の保険的な資産でもあるんです。

 ……そんなこんなで、計画的な対策を早急に行う必要があり、今は自己破産なども視野に入れた対策を考えなくちゃいけない状況になりました。
 今月中に、探していた条件通りの職に就ければ、こんなことにはなりませんでした。


■障害者の求職活動を、健常者の求職活動と同じに考えないで!

 ここからは具体的にお願いしたい話をします。
 障害者の中には、身近に頼れる人がいないぎりぎりの境遇の中で生活している人も多いです。中でも、精神障害者発達障害者は、親にすら頼れないという人たちが普通にいます。両親が元凶となって障害を負った人もいます。
 私の家庭もマイナスの状態から、やっとここまで引き上げたというケースです。

 抱えている問題が社会の規格に合わない人が多いです。困っている事があるのに、ベストマッチする解決手段が社会にないのです。

 通常は、その抱えている問題を解決案の規格に合わせて変形させます。でもそういう事ができない人達が「障害者」でもあるのです。
 普通の人にとってはちょっとしたことでも、死活問題に発展する事があるんです。

障害者基本法

「身体障害、知的障害精神障害発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。」
障害者基本法 - Wikipedia


■障害者は労働に関する法律に敏感です

 障害者は労働に関する法律を積極的に調べます。中でも対人トラブルを抱えやすい精神障害者発達障害者の人達は敏感です。先述した通り、ハンディを負いながらも自分の力のみで生きていかなくちゃいけない人もいます。この点に関しては真剣です。

 職場で問題が起きたなど、あちこちの支援機関で相談を受けるなどをしている内に、詳しくなるんです。そして自分なりにも調べるようになります。自分の生活と財産を守る為です。

 だからあらゆるところで、この社会が法律よりも、"普通"や"一般論"といった感覚を基準に形成されている事も知っています。その中でトラブルが起きたら、一番良い方法を考える為に、法的解釈も用いて考えようとします。後から「法律だとこうなっていた」ということが分かった時、話がこじれてしまう事がわかるからです。何より、法に沿って生きていかないと、いざという時に、支援制度を頼れない事が起こるからです。

 その上で話し合いの時間を大切にします。互いの負担にならないよう、お互いがOKできるところを探そうとします。少なくとも私はそうです。

 今回はその話し合いの場を設ける要望も蹴られる形となりました。「人事的に問題、こちらの気持ちを考えてほしい、採用を話を再検討する」と言われました。


■給与は生活維持に直結することです

 今回私が陥った状況は、何もかも、給与額が大きく下がる可能性があることを提示してくれていれば起きなかった事です。履歴書の内容の話で時間を費やしたせいもあってか、もともと一次面接の時から求人票に記載されている業務に関する話はありませんでしたが、それでも、二次面接の段階で別の業務案を臭わす会話はあったので、その段階で提示はできたはずです。

 15万台スタートの可能性もあるなら、その時点で辞退していました、私は求人探しの時、支給額18万以上で検索をかけていましたから、会う事すらなかったんです。

 私に言わせれば、そもそも21万の求人で足を運んだ求職者に14万の給与を提示して、それで満足するかどうか以前に、生活維持ができるかどうかという点を考慮しない方がおかしいんですがね。

 最後のやりとりでは、元々の携帯ショップ運営スタッフの方で話を進める事が難しいから新事業の話で進めたと言っていました。私はそんなこと聞いていません。私が聞いていたのは、今まできた応募を断り続けた中、履歴書をみて一番光るものがあったということ。本当に能力が高いからもっといいところで働けるんじゃないかと思ったこと、もっと別の何か大きな事ができそうだと感じた事、そんな言葉です。

 自分は期待されている、べた褒めされていると、最後までそんな風に思いながら、積極的に転職活動を行っていました。


■給与額をきちんと提示できないところは求人するな!

 大体の普通の人にとって、給与額はただのステータスなのかもしれません。
 障害者は収入が減ったら、区役所や支援機関に足を運んで生活の相談をしなきゃいけません。障害者は、新しいお仕事を見つける事が大変だからです。

 正直、最後にはちゃんと雇ってくれて、話し合い通りの業務でやらせてくれるなら、釣り求人で呼んでくれてもいいです。面接でアピールできること自体がチャンスです。全て終わった後で思った事ですが、今回面接に行った会社も、会社説明会感覚で求人を出していたのかもしれません。

 でもお給与額だけは、最終的に提示する可能性のある最小額を予めきちんと提示してください。それができないならもう、求人しないでください!!!


■改正障害者雇用促進法の穴

 2018年4月から「改正障害者雇用促進法」が施行されます。障害者の方と定型の人たちが社会の中で一緒に働きやすくする為の法律です。
 ただ、内容は働き始めた後のことばかりです。働く前の、求人情報や面接などの条項はありません。

 それで大丈夫でしょうか?

 「障害者の中にはぎりぎりのところで生活維持している人もいる。就職活動も後がない状態で行っている人もいる。求人情報問題がこのまま解決されないと、改正法が施行された時に、障害者雇用枠の方でこの問題が肥大化するのではないか」

 友達の社会福祉士にそう聞くと、十分に考えられる問題だと言いました。

 私は今回の件を通して、今のうちからなにかをしなくちゃいけない気持ちに駆られて、改正障害者雇用促進法を軸に行っている『空のとびかたプロジェクト』という活動の中で、この障害者雇用の求人情報誘引内容問題をファイナルメインテーマとして扱うことにしました。

 改正法の内容に条項を増やす事を目指す活動です。意識の相違が起きないようにする為のガイドラインや、厳しい罰則など、わかりやすいルールが必要だと感じます。

 でもね、これって本当は、常識や、金銭感覚の問題でしょう。

 給与額の提示は難しいことではないと思います。健常者と障害者の金銭感覚の違いを知れば、それだけで、前もって提示する事の重要性は理解できると思います。

 この問題に関心をもってくださった方はこの記事をシェアしてください。
 よろしくお願いします!



空のとびかたプロジェクト