HyogoKurumi.Scribble

私はこの社会が省略した事柄を言語化している人です。

【第1話】毎日12時間パチスロを打っていた中毒状態の私がスロを止められるまでの話

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 最後にパチスロを打ったあの日から、もうすぐ一年が経つ。この一年はほとんど、スロを意識することもなかった。外で看板やのぼりをみても、「ふぅん、あのシリーズ新しいのでたんだぁ」と思うくらいで、打ちにいこうとは思わなかった。

 

 もう、いいと思う。「スロット止めた」って、言っていいと思うんだ。

 

 私は25歳の時から今日まで、ずっとこの「パチスロ脳」に悩まされながら生きてきた。もう行かないという約束を破って打ちに行ってしまったことや、使ってはいけないお金に手を付けてしまったことで、何度も嫁に泣きついた。

 いま巷では「IR推進法案」(通称:カジノ法案)が話題である。日本のリゾート要素の発展を担うもので、2020年のオリンピックに向けて進められているらしい。

 この法案について私は詳しくは知らないんだけど、どうしても、ギャンブル中毒問題がちらついてしまう。特にいま、ギャンブル中毒に悩み苦しんでいる人には心理的にも負担だと思う。昨年、この事をニュースで知った時もすごく嫌な感じがした。私はもうその時、ほぼギャンブルを意識しなくなっていたが、それまでの事を思うと不安でしかなかった。同じような心境でカジノ法案を気にしている人は多いと思う。

 私は、日本人はギャンブルとうまく付き合えないと思っている。

 今回の記事では過去を振り返りながら、私がスロット中毒に堕ちてしまったエピソードを語ろうと思う。

 

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■【第1話】きっかけはデバッグの仕事

 私がスロットを打ったきっかけは、興味本位や友達に誘われたというものではなく、「仕事」だった。

 最初にパチスロで遊んだのは24歳の時だった。その頃、一人暮らしで、「デバッグ」という発売前のゲームやアミューズメント筐体といった、デジタル製品の動作チェックをする仕事を夜勤で務めていた。5割以上はパチンコかスロットだった。ゲームのチェックがしたかったんだけど、夜勤の時間帯はアミューズ筐体がメインだった。

 その仕事で私は初めてスロットにさわった。パチスロの事を知らない私はまず動作の説明を受け、その後、チェックで必要なスキルということで「目押し」を教わった。狙って止めないと揃わない図柄を揃えるスキルである。

 それからも私は仕事の中でパチンコやスロットにさわることがあった。

 パチンコもパチスロについても、何も知らない私はあまりいい仕事ができなかった。当時まだ、発達障害特徴や精神面の乱れを自制する力もなく、その点でも低い評価のつく作業者だったと言わざるを得ないのだが、そのアミューズ筐体に対する知識不足も直面していた課題だった。

 私の父は自営で飲食業をしながらギャンブルにはまってしまった。直接の原因ではないが、破産原因の遠因と言わざるをえない。

 そんな親の姿をみてきたから、ギャンブルは嫌いだった。この仕事でパチンコやパチスロを打つことだって仕事と割り切ってやっていた。18歳になった時、社会勉強のつもりで一度パチンコを打ちに行った事があったけど、3000円が一瞬でなくなったものだから二度と行かなかったし。

 それでも、仕事の為にはもっと詳しくなる必要があった。勤め始めてからしばらくして、私は職場からの帰り道にあったパチンコ店に足を踏み入れた。
 
 仕事で触れる筐体はまだ市場に出てない機種なので、お店の中にある筐体はどれも知らないタイトルだった。でも「エヴァンゲリオン」はアニメで知っていたのでエヴァの台に座った。「まごころを君に」だった。通称「まごエヴァ」で今も名機として語り継がれている。

 筐体同士の間にあるシュレッダーサンドに1000円札を入れるとメダルが50枚出てくる。私はおぼつかない指使いでメダルを投入し、仕事の時のように、チェックする気持ちで打ち始めた。

 1000円はあっという間になくなった。得られたものは何もなかった。楽しくもなんともない。あと1000円だけ打って「勉強」は終わりにしようと思った。

 そしたらその1000円で、BIGBONUSが当たってしまった。408枚だったかな。「1枚20円だからこれで8000円? いやまさか、何か計算違いしてないか」と、何度も金額を計算した。

 BONUS終了後は、貯留メダルが50枚溜まった状態である。(※1回転3枚だが50枚まで内部にストックできる。ベルなどで獲得したメダルも最初は貯留に溜まり、50枚以上溢れた分が下皿に排出される)

 私は貯留が無くなったら帰ろうと思った。今ならきっとプラスで帰れると考えた。

 そしたらなんと、またすぐにBIGBONUSが当たってしまったのだ。貯留メダルがなくなる前に。

 展開の早さについていけず、最初は当たったと思えなかった。ボーナスを消化している過程で当たった事がわかった。

 その後、私は少しだけ打って止めた。困惑しながらメダルを下皿から箱に移した。

 店員にメダルを渡してレシートに変えてもらい、カウンターでプラスチックの板に交換した。

 次に、私はその板をなぜか買い取ってくれる謎の店を探した。なぜかパチンコ店の近くにあることは知っている。

 すると店から出てすぐ目の前にあった。ていうかほぼ敷地内だった。

 ティッシュ箱ほどの窪んだ空間にプラスチックの板を置くと、干物のような手がにゅっと伸びて、ぐわしっと板を掴んで、また奥に引っ込んだ。「ヒィッ」と思った私はその手の引っ込んだ奥をのぞき込んでみた。老婆風の人間と思しき何かがいた。
 その後、カタカタカチャカチャと音がして、また手が出て来た。手が引っ込むと、そこにはお金が置かれていた。

 14000円。私が20分の勉強で得たお金だった。

 

■【第2話】少しずつ膨らんだ射幸心

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