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私はこの社会が省略した事柄を言語化している人です。

2013年原付カブの旅「プロローグ」

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前 クラウドファンディング連動企画!『2013年原付カブの旅』歩き旅だけじゃない! - HyogoKurumi.Scribble


 非定型克服の放浪旅を終えてから6年――俺は生涯のパートナーと共に順風満帆な生活を送っていた。
 細々とした生活だけど、自営で稼いで、好きな時に物書きができる。俺はそんな今の生活が気に入っている。
 これから何があってもただひたむきに乗り越えていこうと思っている。その荒波に立ち向かえるだけの自信は、今までの人生の中で身に付けてきたつもりだ。

 ただ一つ、俺はずっと胸の中に小さなひっかかりを感じていた。
 それは、新たな旅に対する願望だった。

『いつかバイクで旅に出たい』

 俺は嫁との生活を始める前からずっと考えていた。毎日好きな仕事をしていること、毎日物書きができていること。そして、『旅に出られること』、それが俺のライフスタイルの理想像だった。最初の頃は仕事のことが生活の中心だったが、収入が安定してきてからは物書きも再開できたし、あとは旅のことだけだった。
 いま仕事で乗っている原付のカブを購入してからは、一層その願望が強まっていった。
 カブに乗る度に、俺の頭の中は旅に対する熱い想いで一杯になっていった。

『こいつに乗って旅がしたい』

 バイクの旅、ツーリングといえば、かっこいい二輪のオートバイに乗っている姿がイメージできるが、北海道ローカルTV局HTBの『水曜どうでしょう』という番組で、原付カブの旅企画をみていたせいか、カブで旅をすることに意外性や抵抗は持たなかった。〝カブといえば旅だろ〟と思うくらい、俺の中では定着したイメージだった。

 ――行くとしたら、埼玉から実家のある三重までか?
 ――日程は、往復一週間くらいでなんとかならないか?

 そんな風に具体的に考え始めたのが、今年2013年の7月頃だったと思う。9月から仕事が忙しくなるのが見えていたので、もし旅に出るなら8月中にやっておきたい、やっておかなければ、と思うようになったのだ。
 今の生活が順調であることを親に伝えたかったし、また実家を離れて一人暮らしを始めるという弟のことも気になっていたし、入籍した時に苗字をかえたことをまだ親父に伝えていなかったし、地元で同業をしている友人とも仕事の話がしたかった。
 帰郷の理由はいくらでもあった。全部やろうと思えば電話で済ませられることなのだが、自分の元気な姿を見せたかった。

 俺は友人と家族、それぞれの予定を電話で確認した。
 そして旅の日程は、8月21日出発~8月26日帰宅、となった。


<日程>

 8月21日…午前中出発。静岡県掛川市のどこかで野宿。
 8月22日…午前中出発。愛知県N市の弟宅で一泊。
 8月23日…15時頃まで弟とN市観光。夕方までには三重県K市に着くように出発。夜は昔のバイト仲間と会い、宿泊は実家。親と話す。
 8月24日…同業の友人と一緒に仕事。ついでに一泊させてもらう。
 8月25日…午前中出発。静岡県掛川市富士市のどこかで野宿。
 8月26日…午前中出発。夕方頃に帰宅。

 行きに2日、滞在に2日、帰りに2日。計6日間の旅日程である。

 GoogleMapで〝家の最寄り駅〟から〝実家の最寄り駅〟までのルートを自動車移動で検索したところ、高速無し有料道路無しの国道1号線ルートで392km、8時間18分と出た。
 ただ、カブは原付なので法定速度は30kmである。だから移動時間は倍くらいの見積もりでいいだろうと考えた。つまり到着までに16時間~17時間を要する、と。
 俺は、1日の走行は8時間程度、午前中に走り出せば夕方頃にはその日の目的地へ到着するイメージで日程を考えた。もし、思いのほか交差点で足止めを食ったりコース変更があったりで時間をとられて、想定よりプラス2~3時間かかったとしても、まぁ午前中に出発さえしていれば、夜21時頃には目的地についているだろうと予想した。翌日の為の睡眠時間も問題なく確保できる。
 これが移動に2日間と見積もった理由である。

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 装備品は、着替えなどは家から持っていくとして、寝袋とマットはアマゾンで購入。他は遠征用に近所の100円ショップで洗顔用具と医療用具などを買い足した。
 あまり深くは考えなかった。街中を走るのだから、足りないものがあったら最寄の100円ショップで買い足せばいいと想った。


<初期装備品>

 ・汗拭きタオル、バスタオル
 ・着替え5日分
 ・洗顔用具
 ・包帯~消毒液など医療セット
 ・日記執筆用のiPadBluetoothキーボード(防水の為プラスチックケースに入れてある)
 ・ミニマグライト
 ・充電用ケーブル、延長コード
 ・バイク転倒破損時の応急処置用のガムテープ

 ●旅用資金:18,000円

 ※画像にはないけど寝袋とマット、500mlガソリン携行缶はバイク搭載済み。
 ※荷物は原付カブのキャリアに取り付けた『密閉バックルストッカー KB-540(アイリスオーヤマ(IRIS))』に積み込む。


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 旅プランの全容が固まったところで嫁に計画の実行を話した。安全である、余裕である、と。
 嫁は最初、自分が留守の間、炊事洗濯の手間が増えることを嫌がったが、最後には旦那にとって必要であることを理解してくれた。
 その話の中で、帰宅予定日の8月26日が、共同生活を始めてから丁度一年目の日であることに嫁の指摘で気が付けた。
 今回の旅は、歩きと違ってカブに乗っているだけなのだから、正直、放浪旅の時ほどの心構えはしてなかったのだが、そんな大事な記念日に旅を終えて帰ってくるのだ。俺は俄然やる気が出たのだった。

 ――俺はこれからの人生で、仕事と物書きだけじゃなく、旅もしたいのだ。今回の旅を成功させるということは、それができるという重要な証明となるだろう。

 俺はそんな決意を胸に、出発当日を迎えたのだった。



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