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HyogoKurumi.Scribble

私はこの社会が省略した事柄を言語化している人です。

2013年原付カブの旅 第一話「タイヤパンク」

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前 2013年原付カブの旅「プロローグ」 - HyogoKurumi.Scribble


出発

 8月21日、朝8時半頃に起床。9時出発予定なので、僅かに残っていた眠気を振り切り、朝食や弁当、着替えなどの身支度を整えた。
 しかし、だいたい予定通り出発できたのだが、ついでに寄った郵便局で私用を済ませた時に、財布の入ったボディバッグを家に忘れてきたことに気づいて一旦帰宅。危なかった。それで結局、再スタートは10時となった。いきなり大ポカをやらかしたが、「前途多難だなぁ。あはは~」といった感じで、俺の心はやっと決行できた旅に楽しく弾んでいた。
 天気も快晴。日差しと気温は気になったが、バイクで走ってる分には涼しく感じられた。

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 今日中に静岡県掛川市の辺りまで進むことにした。車で5時間程度なら、原付なら10時間+αだろうと考えた。出発は1時間遅れの朝10時になってしまったけど、夜20時か21時か、それくらいには到着できるだろうと考えていた。

 野宿地は『道の駅 掛川』とした。放浪旅の時に寄ったから知っている。ここには24時間解放されている休憩小屋があるはずなのだ。ただもし、時間に余裕があれば『道の駅 川根温泉』の方へ行くことにした。峠道を通らなければならないので夜は厳しいかもしれないが、ここにも小屋があるし、温泉にも入れる。どっちに行くにしても、21時代には到着して、ご飯を食べて、日付が変わる頃までiPadで今日の日記を綴ろうと思っていた。

 出発してから街中をしばらく走って中山道(国道17号線)へ出た。そして道なりに南下し、環八通り(県道311号線)へ乗った。そこから先は生活圏からも外れ、走ったことのないエリアに入るので一旦近くのコンビニに寄り、駐車場でバイクにまたがったままスマホでナビを確認した。
 進路を再確認してルート通りに進む。渋滞に巻き込まれることもなく順調に進んでいるつもりだったが、12時の時点ではまだ荻窪駅の辺りを走っていた。昼頃には平塚市の辺りにいて海を見ているつもりだった。

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 A=12時頃にいた場所。
 B=12時に着いていたかった場所。
 AからBまでの距離=約57km!(の遅れ)

 想定以上に遅れていることが気になったが、そもそも1時間遅れてるし、交通量の多い都心エリアを抜けるまでの辛抱だと思った。
 焦っても仕方がない。俺は一旦落ち着こうと昼食を取ることにした。関係ないかもしれないが法定速度の30kmは勿論、守って走っている。
 あと、少なくとも初日はナビの示すルート通りに走ることにした。結局、脇道を利用したほうがいいのか悪いのか、見極めの為にそうすることにした。
 

昼飯

 12時20分頃、荻窪駅から少し進んだ先にあった公園で昼食をとった。昼食は家で作ってきたおにぎり3個に、たくあんとウインナーである。
 これがまた格別に美味しかった!
 お茶は家で凍らせてきた1Lのペットボトルのものだったが、この時間には凍結していた部分はもう溶けてしまい、ぬるくなっていた。

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 公園の様子も撮影しておいた。空は快適に晴れている。日も高くなってきて、日差しがかなり暑く感じられた。
 昼食中、公園の水場で水を飲もうとしたおじさんが「お湯がでてきた~」なんて言いながら笑いかけてきた。
 俺も軽い笑みを返した。のんびり、のほほん。

 12時45分、昼食を終えて再出発。国道246号線から129号線まで順調に進む。
 14時頃、ついにお茶が空になったのでコンビニでポカリを買うが、買った後で、冷凍庫で凍らせてあった方の飲み物にするべきだったと後悔。
 15時半頃にポカリを飲み干したので、今度こそと凍ったものを買ったが、レモンウォーターの結露はなんだかベトベトとした。また失敗。

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 この時に立ち寄ったコンビニで足の膝の上を撮影。日焼けで真っ赤になってしまっているがわかる。夏の日焼けには慣れてるつもりだったので、ちょっとヒリヒリしたけど、この時は全く気にも留めてなかった。

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 そんなこんなで平塚市に入り、念願の国道1号線に乗ったのは16時30分頃だった。
 あとは海を見ながらこの道路をひたすら進むだけだ――、そう思っていたんだけど、海沿いのバイパスは自動車専用だったので原付は走れず、街中を突っ切ることとなった。たまに民家の隙間から海が見えたけど本当に一瞬だけで、その光景を心待ちにしていた気持ちは一気に萎んでしまった。本当にガッカリだった。
 精神的な追い討ちはまだ残っていた。予定よりも3時間くらい遅れているのだ。このままでは箱根峠が心配だった。峠の山道は、明るいうちに攻略するつもりだったのだ。
 俺は道を間違えて余計な時間を使わないよう、慎重に走っていた。
 そして、小田原駅の付近を走っていた時だった。急にバイクが真っ直ぐ走らなくなってしまったのだ。ベコベコブニュブニュ……といったゴムを潰すような音が聞こえた。まるでパンクしてしまったような振動だった。

 ははは、まさか――と思いながら数秒ほど走り続けたが、やっぱりおかしいのでバイクを止めて歩道にあげた。
 瞬時に膨らむ嫌な予感。恐れていた事態。俺は恐る恐るタイヤに指を当てた。

 前輪……ぐっぐっ、よし、問題ない。

 後輪……ぐにゃんっ! OMG!

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 後輪のタイヤがほんのわずかな力でぐにゃぁとへこんだ。
 俺の心も『ぐにゃあぁぁぁぁぁぁああぁぁ』となった。

 そんな馬鹿な……っ! ま!じ!か!よ! 嘘だろ……! なんでこんな……! こんな時に…………っ!!!

 パンクである。