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2013年原付カブの旅 第五話「灼熱地獄×半袖短パン×原付カブ」

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前 2013年原付カブの旅 第四話「二日目 真っ赤な太陽」 - HyogoKurumi.Scribble


14時~

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 午後になり太陽が本気を出し始めた。これからが本番だったのだ。
 あと3時間ちょっと、ただ走ればいいだけのはずだったのに、一度に進める距離はどんどん少なくなっていった。
 息苦しいほどの暑さで、思考まで止まりそうだった。
「頑張れ……頑張れ……」
 俺はただ自分を励まし続けた。

 しかし1時間後、俺は豊橋市のとあるガソリンスタンドで休憩していた。いや、休憩じゃなく、緊急避難だった。
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 走行中はそれなりに振動が伝わってくるのだが、その振動からくる体の震えが止まらなくなってしまったのだ。手首や唇の中がまるで痺れているように痙攣していた。

 偶然入ったこのガソリンスタンドは給油のみで、待機所にはレジスターとテーブルだけしかなかった。
 自販機もなかったので、俺はカブを置いたまま歩いて3分ほどのところにあった自販機まで歩いた。歩いてる途中もぶったおれるんじゃないかと思うほど視界が歪んだ。
 スポーツドリンクがほしかったがそれ系のものは全て売り切れていた。俺は500mlの水を買ってガブ飲みしながら待機所に戻った。

 また偶然にもこの日、待機所の中では職場見学に来ていた3人の中学生がいた。
 スタッフの指示でダンボールにティッシュ箱を詰め込んでいた。
 自分は埼玉からここまで来たことや、無茶なスケジュールだったことを情けなく話した。

 20分~30分ほど休んだ後で出発した。
 体が震えても、水分補給と休憩さえきちんととれば動けるようになる。ガソリンスタンドで休んだ感じではそう思えた。俺はその判断を信じてエンジンをかけた。

 その後も一度に30分と走れずに、度々コンビニに寄っては休憩を繰り返した。
 体の痺れや震えが止まるまで、駐車場の車止めブロックに座り込んでうずくまる。
 だいたい15分くらいじっとしていれば動けることがわかった。
 凍結飲み物は1本では不安なので2本常備した。

 間違いなく死人が出てる暑さだった。俺は何度も自分を励ましながら走った。

「頑張れ……頑張れ……頑張れ……っ!」

 例えば、夏の炎天下。停車中の車のドアを開けた時のあの熱気。その熱気の中を走ってるような感じである。
 それに加えてじりじりと照りつく日差しの強さ。白熱電球がすぐ近くにあるような状態だった。
 バイクで走っていればそれなりに風があたって涼しいかと思っていたのに、風の冷却効果は全くなかった。

 朦朧とする意識の中、根気だけで気を保っていた。
 ちょっとでも感覚を休めたら意識が消えそうだった。
 少しでも震えや痺れを感じたらすぐにバイクを止めて休む、しかしバイクから降りるたびに立ち眩みが俺を襲う。

 何度目かの休憩で、自分が昨日から一睡もせずに走ってきたことを思い出した。
 どうりで疲れるわけだ。

(もうちょっとだ、もう少しだ……)

 そう思いながら必死で走り続けるが、3時間経ってもまだ半分しか進んでいなかった。

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17時~

 『道の駅 藤川宿』

 順調に進んでるならとっくについてるはずだった。
 遅れ気味だったとしても4分の3くらいは進んでおきたかった。それがまだ半分だなんて。
 俺は愕然とした。

 この日、昼と夜のバイトに入っていた弟には、遅くても18時頃には着くよと言ってあった。
 だから休憩中である夕方の内に一度会って、先に部屋に入れてもらうことになっていたのだが、その時間には着けそうにないので、俺は間に合わないことをメールで伝えた。

 俺は帰りのことを考えただけで恐怖した。今こうして意識が保てているのはただの幸運なのかもしれないのだ。
 この頃から真剣に帰りルートのことも意識し始めた。行きと同じ1号線ルートで行くべきか、車の少なそうな長野方面ルートで行くべきか。

 藤川宿では15分程休憩してから再出発した。
 あと半分!

 暗くなる前に着くのはもう無理だよなぁ、なんてことを思いつつ走っていると、ふと日差しや気温が和らいでいることに気づいた。
 空を薄い雲が覆いっていたのだ。それも、雨の心配はなさそうなただの雲。俺は雲が助けてくれている間に進めるだけ進むことにした。

   休憩の頻度も減り、それまでとは比べ物にならない快調なペースで進むことができた。
 豊明市を越えあとはN市を目指すのみとなった。
 それから交通量や信号が増え、道路事情の影響でまたペースは遅くなってしまった。

   N市に入った頃には完全に陽は沈んでしまっていた。何度か道を間違えながらも少しずつ弟宅に向かった。
 N市の道路ややこしすぎ……。

 そして20時、無事弟の住むアパートに到着した。

●来未炳吾@がんばろう!発達障害! ?@hyogo_F 8月22日
無事到着しました!バッテリーきれる!
2013年8月22日 - 20:00 ・ 詳細


 しかし、弟はまだバイト中であった。早く連絡をとりたいがスマホのバッテリーが残り20%をきっていた。
 バイクは駐輪場に停めて近隣を探索するが、スマホを充電するにはやはりどこかのネカフェに入る必要がありそうだった。
 弟のバイトが終わるのが21時30分。俺はそれまで、スマホのナビで検索した漫画喫茶にいることにした。

 そうして入った『漫画空間』というお店がとても面白い店だった。
 店内に入ると机が並んでいて、座っている人は絵を描いていた。そしてあちこちにお客さんが描いたイラストが飾ってあった。
 なんとここは、創作家が集うお店だったのだ。
 勿論、漫画喫茶としての利用もOKだ。ただ、どちらかといえば漫画類は資料として置かれているような気がした。
 一応、自分は充電目的である旨を伝えたが、店長さんが快くOKしてくれた。

   奥の席で充電しながら嫁に無事を報告。その後店内をぶらぶらしつつ、店長さんや他の利用客と雑談をした。自分も文章メインの物書きであることや、主にネット上で活動していることを雑談した。自分ちの近所にもこんなお店があったらいいなぁと思った。

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 仕事を上がった弟から連絡があり店を出た。
 その後、コンビニで待ち合わて合流。それから遅い晩飯。なんだか米と肉が食いたかったので吉野家の牛丼(テイクアウト)にした。
 パンクの修理費で資金がほとんどないことを伝えると、弟が牛丼代を出してくれるという。

俺「ありがとう、助かる」
弟「おごりじゃないぞ。これは貸しだからな。レシートは額縁にいれて飾っておくからな」


 まぁ、こんどこっちに来た時はラーメンでも奢ってやろう。

 で、弟の部屋で一緒に牛丼をがっつきながら近況の話をした。
 越してきたばかりでまだテレビも洗濯機も何も、テーブルと布団くらいしかない部屋で俺は弟と缶の酒を飲みながら談笑した。
 弟は弟なりに、自分のこと、将来のこと、ちゃんと気にしているようで安心した。

 そんなわけで「やった! 着いたど~!」みたいな盛り上がりはないまま、静かに就寝。
 
●来未炳吾@がんばろう!発達障害! ?@hyogo_F 8月23日
今日はここまで。おやすみです
2013年8月23日 - 0:01 ・ 詳細


◆買物履歴 8月22日
 ・11:59 コンビニ キリン生茶 157円
 ・14:20 コンビニ ワンダモーニングショット 120円
 ・15:00 自販機 水 120円
 ・15:38 コンビニ おーいお茶凍結 158円
 ・22:38 コンビニ ポカリ、のどごし生 344円

 ・07:03 GS レギュラー1.16L 186円
 ・12:45 GS レギュラー0.89L 140円
 ・19:48 GS レギュラー0.90L 147円

 ・21:30 漫画空間 利用料 480円


 ※レシート紛失? 凍結ドリンクはもっと買った記憶が……


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