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私はこの社会が省略した事柄を言語化している人です。

【第6話】毎日12時間パチスロを打っていた中毒状態の私がスロを止められるまでの話

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前回 【第5話】毎日12時間パチスロを打っていた中毒状態の私がスロを止められるまでの話


これまでのあらすじ

 親の自己破産、一人暮らし、 ストーカー、発達障害の診察、放浪旅、ゲストハウス暮らし――などのエピソードを経て、私は一旦実家に帰ることになった。創作の相方であり恋仲でもある相手と一緒に暮らす為の生活資金作りである。帰郷してすぐ、返しきれなかったキャッシングは返済できたのだが――

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【第6話】二人の貯金に手を付けた

 貯金の為の仕事は帰郷してすぐに見つかった。昔勤めていたゲームショップに挨拶をしにいったら、ちょうどスタッフ募集をかけている時で、店長が再雇用してくれたのである。

 以前勤めていた時それは東京での暮らしの前であり、歩き旅の前であり、一人暮らしの前であり、つまりはこの物語の前のことであり、高校中退後の実家暮らしの最中であり、発達障害特徴と言われるケアレスミスやコミュ障特徴が、最も目立った時期である。

 その影響範囲もスケールも知らぬまま、ただただ自分は他の人とは何かが違う、障害者っぽい、それは間違いない、という実感だけが現実だった。

 思い出のある店で、店長にはいつか恩返しがしたいと思っていた。だから二つ返事でOKした。今の自分は前よりは活躍できるという自信があったし、ミスしまくりで何の役にも立てなくて、怒られてばかりだったけど、当時の自分を最後までクビにしないでくれたのだ。

 ここでしっかり活躍すること、貯金をちゃんと作ること。私はその二つをここでの目標とした。

 ゲームショップでの仕事はすぐ流れに乗ることができた。元経験者というだけではなく、東京で自分の力を試す為に仕事に明け暮れた経験が、役に立ってくれた。

 以前勤めていた時はまたミスしてしまわないかと毎日が不安だったが、もうそうじゃない。ケアレスミスは以前と比較にならないほど落ち着き、コミュ障特徴はほとんど障りがない程度で、人を不安にさせるレベル以下にはなっていた。

 パソコンができるので、関数と組み合わせたPOPや割引チケットを作成したり、他のアルバイトスタッフにパソコンを教えたりもした。カード自販機のアイデアがものすごく上手くいって、こっそりボーナスを出してくれた。

 十分に活躍できたと思う。諦めずに頑張ってきてよかったと思った。

あと一回勝てば・・・が・・・

 毎月実家には光熱費含む月3万の家賃を収めていた。その他、携帯代金の支払いと国民健康保険の支払いがあった。この頃はまだ国民年金は放置だった。

 で、それらの維持費を支払った後に残るお金が、お小遣いと貯金に回せるお金となる。

 そのお金のほとんどがスロットに消えた。

 私は毎月のお小遣いを2万円程度に設定し、残りたしか3万円かそれくらいの金額を貯金に回せるようにした。当時はまだ1箱/二日のペースで煙草を吸っていたから2万はほしかった。

 もちろん打つつもりなんてなかった。

 貯金をしなくちゃいけない。

 その為に帰ってきたのだ。

 二度と打たないつもりだった。

 でも「初めて入った店ではなぜか勝ちやすい」というオカルトの誘惑に負けてしまった! 地元では打ったことがなかったのだ。

 地元での初打ちで、手元に残した1万円少々のお小遣いを見事、6万円に増やすことができた。その時頭を過ったのが、「あと1回勝てば、こっちに来て支払いに消えた分を取り返せる」という悪魔の誘惑だった。

 だから私は、あとプラス4万~5万を「取り戻した」のラインに設定し、また店に足を運んだ。

 それから3万ほど吸われた後、またすぐにその3万を取り返した。

 こうして私はまたずるずるとスロット店に通うようになってしまった。

 一旦は返しきったキャッシングも、また少しずつ増えていった。

 

 アルバイトの仕事は充実していた。創作活動もできた。地元の友人からネットを使った副業のやり方も教わり、できることがまた一つ増えた。両親とはやっぱりトラブル続きだったけど、なんとか距離感を維持できていた。相方とは遠距離恋愛になってしまったけど、ちゃんと連絡を取り合っていた。

 それでいいじゃん。

 最高じゃん。

 もう何もいらないじゃん。

 それなのに私の頭の中からは、パチスロのことが消えてくれなかった。

 貯金用口座に振り込んだお金に手を付けたのは三ヵ月目だったか、四ヵ月目だったか、それくらいだと思う。

 その中には相方が貯金した分も入っていた。

人の金だろおぉおぉおぉお!

 あの時は私の方がカード類を預かっていた。もっと深刻に受け止めて、私は振込しかできないようにするべきだったのだ。

 二人合わせて30万円くらい貯金できた頃だったと思う。自分のお小遣いがなくなり、どうしても打ちたい気持ちが我慢できなくて「自分が貯金した分の金」を少し引き出して使ってしまった。その「少し使った」が「全部使った」となるまでそう時間はかからなかった。

 そしてついに、相方の貯金にまで手を付けてしまった。2~3万円ほど引き出して、使ってしまったのだ。翌月の給料で戻すつもりだった。

 その日打ち終わった後、ものすごい罪悪感に悩まされた。大泣きしたい気持ちに駆られていたけど、この時になっても私は泣けなかった。

 思うように自分がコントロールできない、動揺したまま相方に電話をかけた。そして、自分の貯金したお金と、相方の貯金にも手を付けてしまったことを正直に話した。

 

 相方は許してくれた。

 

 この時にやっと私は、自分が自分の想像を越えた異常な状態であることを強く認識できた。

 俺は、おかしい!

 どうしても止められないと、それ以外言いようがなかった。「中毒」「依存症」、知っている言葉はあったが、こんなにも掴みどころがなく、全く太刀打ちできないものだったなんて、想像もしていなかった。どうしようかと考える上で使っている部分、つまり脳がおかしくなっているのだ。

 私はスロットをやめたい!

 貯金がしたい!

 こんなにも強く思っている!

 でも気が付くと「頭のモード」が切り替わって、何の抵抗もなくお店に向かっているのだ!

 それでも諦めるわけにはいかない。

 私は二度と行かないという誓いを立てた。

 これだけの体験をしたのだからもう大丈夫、いまの気持ちは信用できる、と思った。

 相方にもその電話の中で約束を交わした。

 しかし、ここまでしても私はその約束を翌月に破ってしまったのだ。

貯金、ゼロ

 もう自分のことが信用できない、と判断して、私はキャッシュカード類を相方に預かってもらうことにした。自分は振込だけしかできないようにしたのだ。

 もちろん使ってしまったことは相方に白状した。この時も相方はただ許してくれた。

 でも結局、相方だけが貯金ノルマを達成し、私は貯金ほぼゼロという状態で引っ越し日を迎えた。

 打たなかったのは、カード類を相方に預けてから、その後引っ越しまでの4~5ヵ月の間だけだった。2~3ヵ月だったかもしれないが、もう覚えていない。その間は貯金できたが、引っ越し直前に新生活で使う為の中古原付バイクの購入費用で消えた。

 地元にいたのは一年と半年、18ヵ月。本当は一年間だけだったが、貯金がたまらなかったので半年延長した。毎月貯金に当てれたのは2~3万円。どんぶり勘定で計算しても40万円は貯金できるイメージで、バイクの購入費用やキャッシングの返済などを引いても、25万前後はあるはずなのだが、それがない。そのほとんどがスロットで消えてしまったということになる。

 パチスロやパチンコとは、一度遊ぶとなれば3~5万は使うもの。18ヵ月という期間はそれを使い込む上で、十分すぎる期間だった。

 自分の貯金ゼロ

 原付バイク1台購入

 そして、40万円の未払いの借金を抱えていた。引っ越し後に始める自営業、その為に購入した費用の支払いのお金も、使い込んでいた。


【最終回】俺、もうスロやめたよ(本当)

 執筆中。続きは後日。シェアしてくれると早まります!