発達障害考察ブログ HYOGOKURUMI.Scribble

言葉は嘘をつきません

僕と彼女のカーニバル(加筆修正版)

あとがき:普通の人を食べれば、普通の人になれるのか/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版)

前:18:カーニバル 4/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版) あとがき 私はこれまでの半生の中で、「人を食べたい」という妄想に取りつかれていた時期がある。たしか23歳の時、今から10年以上前のことだ。その頃の私はまだ、発達障害の症状に振り回されてい…

18:エピローグ/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版)

前:17:カーニバル 4/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版) 18:エピローグ 廃病院での一件から三日が経った。今日も報道ヘリの音が絶え間なく外を騒がせている。今も、あの廃病院のある辺りは野次馬でごった返しているのだろう。テレビでは昼のワイドショ…

17:カーニバル 4/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版)

前:16:カーニバル 3/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版) 17:カーニバル 4 「神楽……」 少し目をあけた神楽。生きているようだ。口を塞いでいたテープをゆっくり剥がす。 「はぁ……はぁ………こういう時は、遅いって言うべきかしら」 丸一日拘束されたまま…

16:カーニバル 3/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版)

前:15:カーニバル 2/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版) 16:カーニバル 3 ジパングを出た僕は一旦自宅に戻り、自室のパソコンをつけた。これまでに得た情報を整理する。 動物虐待、川原の食害事件、そして神楽の行方不明。僕にはこれらの事件が全て繋…

15:カーニバル 2/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版)

前:14:カーニバル 1/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版) 15:カーニバル 2 犬や猿と違い、人間はどこにでもいる。今日の帰宅道中だって、数えきれないほどの人間とすれ違った。でも、あの中の一人でもいなくなれば、事件となり、騒ぎになってしまう。…

14:カーニバル 1/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版)

前:13:猿を捕まえてきて 4/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版) 14:カーニバル 1 駅前の携帯ショップで、修理に出していたスマホと一週間ぶりに再会した。店員いわく、電源を切っていたことや、ただの部分水没だったことが幸いし、データー破損もなく…

13:猿を捕まえてきて 4/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版)

前:12:猿を捕まえてきて 3/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版) 13:猿を捕まえてきて 4 目的は果たした。でも、狼を殺った時のような高揚した気持ちにはなれなかった。今回は何も殺していないからだろう。そのことよりも、僕は苛立っていた。もっとス…

12:猿を捕まえてきて 3/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版)

前:11:猿を捕まえてきて 2/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版) 12:猿を捕まえてきて 3 地を突く拳が勢いよく持ち上がる。ゴリラは二本足で立ち上がった。体長は2メートル以上ありそうだ。僕を見下ろしたゴリラは唇を尖らせながら、自分の胸をポコポ…

11:猿を捕まえてきて 2/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版)

前:10:猿を捕まえてき 1/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版) 11:猿を捕まえてきて 2 ボォーン――ボォーン―― 壁の古時計が15時を告げた。神楽が二杯目のコーヒーを注文した。僕はあれこれ考える前に、彼女の要求をはっきりさせることにした。 「猿に…

10:猿を捕まえてきて 1/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版)

前:09:デート 3/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版) 10:猿を捕まえてきて 1 8月10日――その日は朝から雨が降っていたこともあり、僕は一日中自室に篭って夏休みの宿題をしていた。いいペースで進んでいたこともあり、この日の内にあらかた終わらせ…

09:デート 3/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版)

前:08:デート 2/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版) 09:デート 3 どこからか、ガランガランと大きなベルを鳴らしたような音楽が流れてきて、その方を見ると、丁度18時を差した時計台があった。外はもうすぐ暗くなっていくだろう。 ショッピングを終…

08:デート 2/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版)

前:07:デート 1/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版) 08:デート 2 取出口には手前に開くタイプの蓋がある。迷い込んで出れなくなったとは考えにくい。何者かがここに閉じ込めたか、子猫が死んだか殺した後でこの中に捨てた、ということだ。それも、数…

07:デート 1/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版)

前:06:犬を捕まえてきて 4/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版) 07:デート 1 僕が神楽のことをどう思っていようがいまいが、世界はなにも変わらない。僕が存在しているこの世界は、僕の意思とは一片の繋がりだってもっていない。そのはずなのに、僕の…

06:犬を捕まえてきて 4/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版)

前:05:犬を捕まえてきて 3/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版) 06:犬を捕まえてきて 4 神楽の住むマンションに戻った僕は、公園の水飲み場で手を洗ってからひとまずベンチに腰を下ろした。ここまでずっと歩き通しだったので、流石に疲労を感じてしま…

05:犬を捕まえてきて 3/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版)

前:04:犬を捕まえてきて 2/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版) 05:犬を捕まえてきて 3 こんなところに狼なんているわけがない。しかしあれはどうみても図鑑やネットの動画で見たことのある狼のフォルム――さぁ、どうする。 全身の細胞が「奴に背を向け…

04:犬を捕まえてきて 2/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版)

前:03:犬を捕まえてきて 1/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版) 04:犬を捕まえてきて 2 マンションを後にした僕は、必要なものを買い揃える為に近所にあった100円ショップに入った。地図アプリで検索して見つけた店だ。 神楽は犬種や体格、必要な部位…

03:犬を捕まえてきて 1/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版)

前:02:プロローグ 2/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版) 03:犬を捕まえてきて 1 一学期最後の土曜の夜。自室のベッドで横になりながらアプリゲームをしていると、スマホがメッセージを受信した。僕にメールを送ってくる存在は神楽しかいない。ただ、…

02:プロローグ 2/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版)

前:01:プロローグ 1/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版) 02:プロローグ 2 帰りの会が終わり、部活の準備や帰り支度を始めた生徒たちの喧騒の中、神楽は鞄を片手に一人で教室から出て行った。いつもの彼女の行動だ。恋人関係なら一緒に下校したりする…

01:プロローグ 1/僕と彼女のカーニバル(加筆修正版)

前:『僕と彼女のカーニバル』(加筆修正版)掲載します。 01:プロローグ 1 高校生になっても僕の日常はなにもかわらなかった。 朝起きて、学校へ行って、授業を受けて、家に帰って、少し勉強をして、テレビやネットをみて……あとは寝るだけの毎日だった。 …

はじめに 『僕と彼女のカーニバル』(加筆修正版)掲載します。

小説の再掲載第3弾は『僕と彼女のカーニバル』という作品です。 本作も2012年から『小説家になろう』(https://syosetu.com/)で連載を始めた作品なのですが、連載して間もなくリアル事情で執筆が停止。数ヵ月後に連載再開できたのですが、完結した頃には一…