発達障害考察ブログ HyogoKurumi.Scribble

言葉は嘘をつきません

夜行バスの人々(なろう版)

あとがき 夜行バスの人々(なろう版)

あとがき 将来は物書きになりたい。 なんでも文章で話せる人になりたい。 この小説を書いていた頃の私は、自分の将来の道をそんな風に決めていた。 あとがきでは、この小説を書くことになった経緯や、書いている時に考えていたことや当時の心境、今だからわ…

第25話 ≪ エピローグ ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第24話 ≪ 最終話(後編) ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第25話 << エピローグ >> 十二月十七日 十六時三十二分 愛知県 名古屋某所 車の走行音も人混みの喧騒もない、静寂に包まれた無人無車の街を走る、一台の車の姿があった。 それは顕示と咲の乗る車…

第24話 ≪ 最終話(後編) ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第23話 ≪ 最終話(前編) ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第24話 ≪ 最終話(後編) ≫ 向坂は言葉に迷っていた。皆が必要とするはずの車の鍵。それを持っていながら、誰にも言わずにここを出ようとする。それがもうありえない。 その警戒心が向坂を慎重に…

第23話 ≪ 最終話(前編) ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第22話 ≪ 桑部さん ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第23話 ≪ 最終話(前編) ≫ 売店を後にした顕示はバスに戻った。リュックには缶詰や干物、飲み物など、日持ちしやすい食べ物を三日分ほど詰め込んだ。 「お待たせ。こっちは準備オッケーだよ」 「私も…

第22話 ≪ 桑部さん ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第21話 ≪ パーティー ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第22話 ≪ 桑部さん ≫ 建物を後にした探検隊は、下り側サービスエリアに戻ってきた。玄関口の屋根の下で、びしょびしょに濡れたレインコートを脱ぐ。 「皆さんお疲れ様でした。一人も怪我人がでなくて…

第20話 ≪ 消失の定義2 ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第19話 ≪ 顕示 ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第20話 ≪ 消失の定義2 ≫ テーブルの上には、レインコートや透明傘、消毒液や絆創膏、菓子類といったポケットに入る大きさの食べ物など、〝探検グッズ〟が寄せ集められていた。医療品や食料は、上り側のサ…

第21話 ≪ パーティー ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第20話 ≪ 消失の定義2 ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第21話 ≪ パーティー ≫ 真っ先に気がつくべきだった。向坂は今までの自身の行動を振り返り、落胆した。いつでも気がつけたことだ。自分が情けなくなる。しかし、気を落としたところでなにかが変わ…

第19話 ≪ 顕示 ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第18話 ≪ 探検隊 ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第19話 ≪ 顕示 ≫ 話し合いが終わった後、乗客たちは手分けしてテーブルを元の配置に戻していた。顕示と咲はそのごたごたとした隙をついて、売店エリアにある従業員用ドアを通った。 「それ、なんですか?…

第18話 ≪ 探検隊 ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第17話 ≪ 広野 ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第18話 ≪ 探検隊 ≫ 「皆さんで、意見や希望を出し合っていく形にしたいのですが、えー……、まずは現状を再確認したいと思います。我々は今、この竜瓜山という山の中にある、竜瓜サービスエリアという所にい…

第17話 ≪ 覚悟 ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第16話 ≪ 広野 ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第17話 ≪ 覚悟 ≫ 携帯電話が光った途端、着信メロディが鳴り響いた。 仁村は慌てて携帯を掴み、コールを切った。 鳴った……電話が鳴った…… ちゃんと、かかるんだ…… 四人は言葉にできない動揺を、事実として…

第16話 ≪ 広野 ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第15話 ≪ 普通の人 ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第16話 ≪ 広野 ≫ 顕示は自販機に缶コーヒーを買いに行った。 その場で待つ咲は、自分自身に驚いていた。 どうしてこんな推測が、イメージが浮かんでしまったのだろう。普段、無意識の内に浮かぶイメー…

第15話 ≪ 普通の人 ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第14話 ≪ 目撃者 ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第15話 ≪ 普通の人 ≫ 高月がいた。久しぶりだな、と挨拶を交わす。 スーツを着ていることを笑われた。似合ってるだろ、と笑い返す。 東京での暮らしのことを聞かれた。いい経験になったよ、と話した―― ぼ…

第14話 ≪ 目撃者 ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第13話 ≪ 吉岡と仁村 ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第14話 ≪ 目撃者 ≫ 若者の大声とレストランのざわめきを耳にして、土産売り場にいた桑部はレストランに戻ってきた。乗客たちの視線は一人の若者に向けられ、凍りついたような雰囲気が漂っている。 あ…

第13話 ≪ 吉岡と仁村 ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第12話 ≪ 12/16 01:40:00 ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第13話 ≪ 吉岡と仁村 ≫ 目を覚ました向坂はむくりと体を起こし、寝ぼけ眼のまま辺りを見回した。談笑をする他の乗客たちの様子を目で追う内に、昨夜の記憶がぼんやりと蘇ってきた。ここはサービ…

第12話 ≪ 12/16 01:40:00 ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第11話 ≪ 冗談 ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第12話 ≪ 12/16 01:40:00 ≫ ほんの数秒の差だった。なにかが一つ違っていただけで、顕示たちは桑部たちと、通路で鉢合わせしていてもおかしくはなかったのだ。 「……もう大丈夫」 「はぁ、びっくりした」 顕…

第11話 ≪ 冗談 ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第10話 ≪ 決別 ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第11話 ≪ 冗談 ≫ 桑部と向坂は、建物の表側を見回りながら、そのまま外壁に沿って裏手にまでやってきた。 もうここに人は残っていないと諦めていたが、厨房の件が〝まだ人が残っている可能性〟を臭わせた。…

第10話 ≪ 決別 ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第9話 ≪ 距離感 ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第10話 ≪ 決別 ≫ 乗客たちは手分けしてブランケットを床に敷き始めた。壁沿いに一枚、一枚と黒い布が並べられる。自分もあそこで横になるのだろうか。そんな咲の不安を他所に、黙り込んでいた顕示はまた一…

第9話 ≪ 距離感 ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第8話 ≪ 消滅の定義 ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第9話 ≪ 距離感 ≫ 顕示と咲は、『竜瓜《りゅうその》サービスエリア』と大きく書かれた看板を目に留めつつ、前を歩く四人に続いて建物の中へ足を進めた。出入口が開放されているせいか、中も十分に暖…

第8話 ≪ 消滅の定義 ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第7話 ≪ 安全性 ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第8話 ≪ 消滅の定義 ≫ 「名無しさんっていう人が、たくさん書き込んでいるんですか?」 「いや、それは……名前入力欄を空欄にして書き込めばそう表示されるんだ。だから、誰が書き込んでいるのかわからない…

第7話 ≪ 安全性 ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第6話 ≪ 進展 ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第7話 ≪ 安全性 ≫ 桑部と向坂を除く他の乗客たちは、ここに来るまで半信半疑だったが、本当に人がいないことに戸惑いを隠せなかった。なにが起きたのか、ここにいたはずの人たちはどこへ行ってしまったか、…

第6話 ≪ 進展 ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第5話 ≪ 外の情報 ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第6話 ≪ 進展 ≫ バス疲れと寒さ、そして面倒に巻き込まれたという状況が、乗客たちに苛立ちを募らせていた。 「やっぱ冷えますねぇ」 「さみぃー」 「……なにがあったんでしょうね」 「バス会社絶対訴え…

第5話 ≪ 外の情報 ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第4話 ≪ 自己紹介 ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第5話 ≪ 外の情報 ≫ 乗客のほとんどは頻りにカーテンを開けて外をみたり、携帯電話でどこかに電話をかけていた。寝ていた者も皆目を覚まし、他人同士の会話も始まった。 「そちらも、誰もでないんですか…

第4話 ≪ 自己紹介 ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第3話 ≪ 桑部と向坂 ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第4話 ≪ 自己紹介 ≫ プルルルルル プルルルルル――ガチャ 十回ほどコール音を鳴らしたところで、顕示は電話を切った。 今度は別の番号を押して電話をかけてみる。 ……プルルルル プルルルル………… やはり…

第3話 ≪ 桑部と向坂 ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第2話 ≪ 異変 ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第3話 ≪ 桑部と向坂 ≫ 「ここ……誰もいないんでしょうか……」 「……んな馬鹿なことあるかよ」 向坂《さきさか》の言葉に、桑部《くわべ》は否定を返したが、この状況には確かな疑いを持つことができた。 桑部と…

第2話 ≪ 異変 ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

前話 第1話 ≪ 出発 ≫ 夜行バスの人々(なろう版) 第2話 ≪ 異変 ≫ 十二月十六日 午後一時三十三分 バスは静岡県にある『竜瓜《りゅうその》サービスエリア』に到着した。ほぼ予定通りの時刻だった。『竜瓜山』という山中に位置するこのサービスエリアは、百…

第1話 ≪ 出発 ≫ 夜行バスの人々(なろう版)

第1話 ≪ 出発 ≫ 新宿駅を正面に構えるAビルの玄関付近では、夜行バスの係員が忙しなく受付に勤しんでいた。足早に家路を急ぐ人々と車道を走る車の喧騒が行き交う中、乗客たちは寒さを堪えながらバスの到着を待っていた。 鮎山《あゆやま》顕示《けんじ》も…

『夜行バスの人々』(なろう版)掲載します。

7年程前(2012年頃)に『小説家になろう』(https://syosetu.com/)というサイトで連載していた、『夜行バスの人々』という小説をブログに掲載することにしました。本作は、現在Amazonで販売している「夜行バスの人々」の前身にあたる作品であり、私が初め…