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【300RT/8000PV】発達障害特徴の克服その3『仕事の習得困難はこう治せ!』

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重要:19/6/6:記事のタイトルを変更しました。

  • 6/5迄 :発達障害を体験する記事――真面目なのに仕事の習得ができない人の感覚
  • 6/6以降:発達障害特徴の克服その3『仕事の習得困難はこう治せ!』

 

 

 今回は、『真面目なのに仕事の習得ができない人の感覚』を体験できる記事を書きます。無論、仕事の習得ができない状態には無数のケースがありますから、その一例を体験できるという認識でお願いします。

 いろんな人に読んでいただければ、と思うのですが、特に「仕事の習得ができない人と一緒に働くことになってしまった人」は参考にしてみてください。

 

 タイトルでは「発達障害を体験する記事」としていますが、「仕事の習得ができない」状態は、発達障害の診断を受けていない人や、その特徴の自覚がない人でも陥る可能性がありますので、どなたでもお読みいただけます。

 

 あと、本記事はアスペルガーの診断を受けている私一個人の考察であることをご了承の上でお読みください。

 

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準備

 細かいことは後述するとして、とりあえずやってみましょう。まず必要な準備をお伝えします。

 

準備その1:人数

 人員2名。イメトレ力がある人は一人でも可。

  • Aさん・・・体験する人
  • Bさん・・・Aさんに指示をする役

 誰かに、上記のAさん役とBさん役になってもらってください。

 

準備その2:指示書

 考えなくとも誰にでもできるでろう簡単な指示を、10個程度書いた指示書を作ってください。

 下記は内容の一例です。

  • 箱を机の上に運んでください。
  • ペンケースから消しゴムを取り出してください。
  • 机を雑巾で拭いてください。
  • スマホの電源を落としてください。
  • 私に電話をかけて昨日の出来事を報告してください。
  • 一旦ドアの外に出て、またここへ戻ってきてください。
  • 自分のかばんの中を整理してください。

 

実践

 「指示役のBさん」は「体験するAさん」に対し、指示書の内容を指示してください。

 

第一段階

 この時Bさんは、上司になったつもりの口調で、指示書の指示を出してください。そしてAさんのやり方に対し、細々と注意をしてください。「違う、箱の持ち方はこうでしょう」、「ペンケースの開け方が変だよ」、「その言い方はおかしいですよね?」など、Aさんの仕事のやり方に対して、ダメ出しをしてください。そしてわからなかったら聞いてくださいよ」という注意もしてください。

 

 Aさんは、自分の自然体が通用しないとわかったら、Bさんにわからないことを聞きながら仕事のやり方を聞いてください。Bさんに「このやり方で合っていますか?」「どうやればいいですか?」と単純に聞く感じでいいです。

 

 Bさんは、Aさんから仕事のやり方を事前に聞かれるようになったら、ちゃんと教えてあげてください。

 

 この「仕事ごっこ」を、5分から長くても10分程度やってください。短い時間でやるとしても、Aさんが「自分の自然体が通用しない」と思える段階まではやってください。

 ここまでが第一段階です。

 

第二段階

 第一段階と同様に、BさんはAさんに仕事の指示をだしてください。ただもう注意はしなくていいです。指示だけして、Aさんのことはほったらかしにするか、ただ見ててください。

 Aさんから仕事のやり方を聞かれたら、「そのやり方でいいんじゃない?」とか「たぶん大丈夫だよ」など、曖昧な言い方で、とりあえずAさんのやり方でやらせるよう返事してください。

 

 5つくらい簡単な指示を出し、Bさんが注意をやめたことが伝わればOKです。

 実践はここまでです。

 

 Aさんはこの第二段階の時の心境をよく覚えておき、あとで他の人達に教えてください。

 

解説

 この仕事ごっこの試行により、Aさんは一時的に「簡単なことでも動作を確認しなければ仕事ができない状態」に陥ったと思います。

 

 そして第二段階の時は、またいつ注意をされるか不安を抱えながら、自分の動作におかしなことがないかを頭の中で考えながら、Bさんの指示を聞いていたと思います。

 

 この、「自分の自然体が通用しない」ことを意識しながら、「自分の動作について考えながら仕事をしている状態」が、「真面目なのに仕事の習得ができない人の感覚」なんです。

 

 実践では注意とダメ出しを利用してその状態にしましたが、それは再現し易いというだけで、他の要因でも同様の状態に陥ることは充分に考えられます。

 

感覚モードと思考モードの違い

 初めて卵を割った時のことを思い出してください。(やったことない人はすみません)

 とりあえず適当なところに、適当な力加減で、卵をぶつけてみたと思います。強く叩きすぎてしまったと思えたなら、次からはぶつける力を弱めようと思ったと思います。逆に弱すぎた場合は、少しだけ力を足してまたぶつけたと思います。

 この一連の動作は、特に深く考えず感覚的に行ったと思います。そして何度か割る内に、自然と卵の割り方を習得したと思います。

 

 では今度は、数学の勉強をしている時や、デジタル製品の設定をする時のことを思い出してください。卵の割り方の時のような「感覚的な意識」ではなく、間違いがないよう一つ一つ確認し、検証しながら答えにたどり着く「思考的な意識」が求められると思います。

 

 このように、世の中にある物事は、「感覚的」に習得することと、「思考的」に習得すること、この2つに分けて考えることができます。

 

 普通の人は場面に応じて、「感覚」と「思考」、どちらを「主」にして、どちらを「副」にするのか、切り替えて向き合います。

 

 しかしこの世の中には、いつでもどこでも思考で向き合ってしまう、脳が「思考モード」でロックされてしまっている人がいるのです。

 

卵の割り方を"考えて"覚えようとするアホ

 さっきお話しした「卵の割り方」を、感覚的ではなく、思考的に覚えようとした場合、その人はどんなことを考えるでしょうか。

 

 きっとこんなことを考えると思います。

  • 卵の持ち方はこれでいいのかなぁ?
  • ぶつける角度はこれくらい?
  • 力加減はどうだろう、最初は弱い方がいいかな?
  • どこにぶつけよう?
  • 手が汚れるかもしれない
  • 卵は洗った方がいいかな?

 

 こんな感じでしょうか?

 

 いやもう、「(イラッ)いいから早く割れよ」って思いますよね(笑)

 卵の割り方は、細かいこと考えずにとりあえず割ったほうが覚えやすいはずです。

 

 これって、仕事の習得ができない人に周りが向ける気持ちと同じですよね。

 

「いいから早くやれよ」

「……はい、すみません」

(でもこれでいいのかわからない……)

  

「あぁもう、こうしておけばいいでしょう!」

 「……はい、すみません」

(説明されなくてもわかるのに自分はすぐわからないんだよな……)

 

 どんくさいから周囲をイラだたせます。

 酷い場合は単純作業でさえ、人の何倍も時間を要します。フルタイムで毎日同じ仕事をしているはずなのに、いつまでも簡単なことで質問してくる上、凡ミスも絶えません。

 

 でも仕事は誰の目にも明らかに、一生懸命やっています。

 

 そりゃ、簡単なことでも思考モードで向き合っていたら時間もかかるし、脳の疲労も溜まりやすいから、凡ミスも多発してしまいますよね。

 

 なぜ仕事が習得できない人は、感覚的にやろうとしないのでしょうか?

 それは次で解説します。

 

思考モードでロックされている理由

 普通の人は、「感覚と思考」を「主と福」で切り替えながら成長し、日常を営んでいます。

 それが、思考モードでロックされてしまう要因について、考えてみましょう。

 

 まず上記の実践で体験してもらった通り、自然体を注意などで阻害され続けながら生きた場合が考えられます。

 虐待環境にいる子供を思い浮かべてください。何をしても怒られて、注意を受けている日常です。

 親が子に勉学を強いる環境でも同じです。

 パワハラ上司の元で仕事をして、事あるごとに注意を受ける日常も同じですね。

 

 感覚的判断が事実上の禁止状態にあり、自然体な意識のままではいられない環境に長期間いることにより、脳が思考モードで固定されてしまったわけです。

 

治療方法

 思考モードのロックを解除するには、休むことが一番です。なんにも考えず、ただ寝てゴロゴロしてるだけが理想の休み方です。

 とにかく「頭を使わないこと」が大事ですから、遊ぶのも避けた方がいいですね。ちょっとした会話も避けた方がいいでしょう。

 

 しかしこれが、簡単なことではないんです。

 

簡単に治るケース

  さっき簡単なことではないと言いましたが、先に簡単に治るケースから話します。

 それは、「大人になるまで定型的に生きてきた普通の人が、一時的に思考モードに陥った場合」です。

 先述した『感覚と思考を主と福で切り替えながら成長し、日常を営んだ体験を持っている人』と言い換えてもいいです。

 こういう人は、休んでいれば治ります。脳が治った状態を知っているから元に戻れるんです。

 それでも休みは一日二日程度ではなく、最低でも一週間以上の休息はほしいです。

 脳に染みついた癖が解けるには、それくらい時間がかかるんです。

 

簡単には治らないケース

 「脳が治った状態を知らない場合」は簡単には治りません。というか「治す」というゴールが作れません。

 つまり、子供の頃から思考モードで脳を酷使しながら生きてきたような人で、「脳が治った状態を知らない」ケースです。

 

  • 虐待環境から生き延びた
  • スパルタ教育に耐え抜いて有名大学に入った
  • ブラック企業でも頑張って働く

 

 上記は日常が思考モードで固定されやすい環境の一例です

 人生を滅茶苦茶にされても頑張って生きている人って、なんかすごそうじゃないです? いろんな能力をもっていそうに思いません? フィクションの世界ではよくそのように描かれますからね。

 

 現実的には逆で、残念ながらそういう環境に長くいた人ほど、「簡単なことがわからないアホ」になりやすいんです。

 

 こういうタイプは、本来は子供の頃に終えているはずの「物事を感覚的に習得する体験」を新たに積み重ねて、その意識を新しい感覚として脳に定着させる訓練が必要です。

 

 そして普通の人のように、感覚と思考の主従関係を上手にコントロールできるようになれば、「治せた」と言える状態になるかと思います。

 

 ただそれでも、思考モードで生きていた間に習得し損ねた知識や能力は新たに覚える必要があります。

 例えば「仕事の習得ができない」上に、「一般常識や一般知識が欠けている人」は、普通の人のように習得できるようになったとしても、常識や知識を再習得する時間が別途必要であるということです。

 

 職場にこのような人がいる場合は、治すことよりもその人ができる仕事をつくったが賢明でしょう。

 

 ちなみに、このようなタイプの人が発達障害の診断を受けていることがあります。

 卵の割り方について考え込んでしまうような人な、一般職の世界では不利ですが、研究職の世界には必要でしょうね。その世界にも発達障害タイプの人は多いと言われています。

 

まとめ:感覚モードをベースに生きる

 私も発達障害の一種である自閉症スペクトラムの診断を受けており、以前はこの記事でお伝えしたような、仕事が全く習得できない側の人でした。

 

 でも独自の考察と訓練を通して、自分が陥っている境遇を理解できたことにより、仕事の習得ができるようになるまで人生を復興させることができました。

 

 私の体験上、生活も仕事も、大体のことは「感覚モード」で向き合った方がスムーズに運びます。習得でもそれほど困りません。そして必要な時に「思考モード」を意識して、取り組みます。

 

 これを読んで、「自分も思考モードでロックされている」と思えた人は、「感覚モードでいられた時」のことをよく思い出しながら十分な休息をとってみてください。

 

 感覚モードでいられた時がない、ずっと思考モードだった、という人は、感覚的にできることをたくさんこなして、物事を感覚的に処理して習得する脳のモードを鍛えてください。

 

 それが推測から導き出せる克服の方法です。

 

 以上

 この記事が誰かの役に立つことを願います。

 

 あと、本記事は過去に掲載した「あぶり出し型脳」の話とも深く関係しているで、引き続きこちらの記事をお読みいただければより理解が深まります。

 

 

19年4月1日追記 本記事はKindle本『発達障害考察本』収録記事です