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言葉は嘘をつきません

【図解】発達障害攻略マニュアル――生き辛い境遇からの脱出

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 本マニュアルは、中学2年生の時に障害特徴を自覚し、31歳の時に発達障害に分類されるアスペルガー障害の診断を受けた来未炳吾が、その半生の中で会得した発達障害特徴に関する考察から克服術までを言語化したものです。

 このマニュアルを作ろうと心に決めたのがおよそ10年前。これまでも同様のテーマでいくつもの記事を書いてきましたが、今回は集大成となる内容です。

 発達障害と関わりがある方だけではなく、自分は発達障害ではないという方も、ぜひ読んでくださいね。

 

本マニュアルの特徴

  • 当事者考察がベースです
  • 発達障害に関する医療知識がなくても読めます
  • 不注意・コミュニケーション困難・習得困難が話の中心です
  • 一人でもできます

特にこんな人に読んでほしい!

  • 医療などの支援を頼れない人
  • 発達障害用のお薬を頼りたくない人
  • 自分なりに改善を試みたが上手くいかなかった人
  • 後天性説に関心のある人
  • 自分の生活を良くしたい人
  • どうしても治したい人

 

※本編の前に

1.文章量が膨大になった為、要点のみをまとめた要約版を作成しました。

2.本記事の改善法(3章)の内容をまとめてKindle本を制作しました。

 

以下、本編

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第1章 はじめに

 本マニュアルは、大人の発達障害の特徴として挙げられやすい集中困難やコミュニケーション困難、物事の習得困難などの克服術と、その状態故に陥りやすい、生き辛い人生からの脱出術を、広く共有することを目的に言語化したものです。

 

「発達障害特徴の克服」というワードについて

 本マニュアルの「発達障害特徴の克服」という目的は、「発達障害は先天性だから治せない」という一般論からは作れない目的である為、マニュアルの価値が通じていない場合もあるかと思いますので、本題へ入る前にその解釈について解説させていただきます。

 発達障害は口語的には1個の障害として扱われることが多いのですが、DMS-5等の診断基準からみると、複数の症状を一単語で言い表した「状態の総称」であることがわかります。発達障害研究は未だ「私たちは何を指して発達障害と呼んでいるのか」、それさえわかっていないのが現状です。その上で、発達障害といえばケアレスミスやコミュニケーション難の特徴はよく挙げられる代表的な症状ですから、「発達障害の症状を克服する、治す、改善する」といった言葉を、「ケアレスミスやコミュ障を克服する、治す、改善する」という意図で用いても、おかしなことではないのです。

 

1.1 想定する人物像

 大人の発達障害の症状として挙げられやすい、下記の特徴を1つ以上有する人を、想定する人物像とします。発達障害の診断の有無は問いません。グレーゾーンの方もお読みいただけます。

  • 集中困難(不注意、多動性、衝動性など、状況に応じた行動がとれない)
  • コミュニケーション困難(自分や相手の立場や関係性、場の空気や状況に対応した言動がとれない。通称、コミュ障)
  • 習得困難(常識、社会性、学力、運動、労働などの習得に長期を要する。あるいは習得できていない)

 

1.2 脱出の基準

 自分の意思で生活をコントロールできている状態を、「生き辛い境遇から脱出できた状態」と定義します。

 

1.3 言語認識の基準

 本マニュアルは当ブログの過去記事で提唱した「対応型」の感覚で読むことで、より理解しやすくなります。

 

参考記事

 

第2章 発症要因の仮説 

 攻略法へ進める前に、発達障害の症状を抱える原因を仮説としてお伝えします。攻略法の有効性を理解する上で基礎となる部分ですので、なるべくお読みください。

 

2.1 発達障害は依存症

 発達障害は、脳の生まれつきの障害という先天性説が根強く浸透していますが、本マニュアルでは発達障害のことを、「依存症」の観点から考察しています。

 依存症と言えば、食べ物や娯楽など「日常の営みの中で抱える症状」として連想するのが大多数の認識かと思いますが、発達障害の代表的特徴は依存症を抱えた人の言動に表れる特徴とも共通点が多いですし、依存症は「依存しやすい体質」として遺伝すると医学的にも考えられています。

 つまり発達障害を依存症の観点からみることで、関心の偏りといった症状の分析や、治療に関する考察がしやすくなる他、発症要因についても、後天性と先天性、両方の観点から考察することが可能となるのです。

 現代の発達障害診察の実情は、医学レベルでは脳の原因部位も明確になっていない段階で、診断は問診や知能テストの結果とDSM等診断マニュアルを主な参考点とした上で、診察した医師によって下されます。その判断は、医師の経験値や社会観、人間性によって左右されるところであり、診断結果が医師によって異なるということが起きています。

 ですから、いま発達障害の診断を受けている人は、先天的に発達障害の因子を抱えていた人だけではなく、後天的に発達障害と同等の症状を抱えた人がいることは十分に考えられます。

 

 本マニュアルでは脳と依存の関係が深い対象として「言葉・食べ物・娯楽」について説明します。

 

言葉――カリギュラ効果

 「押してはいけないスイッチ」と言われたら、つい押したくなる意識がつくられますよね。そのような心理現象をカリギュラ効果と言います。

 発達障害の不注意特徴でも、「ミスをしては駄目だ」と意識すればするほど、ミスをしやすくなる感覚が形成されていると考えます。

 言動も同じで、「失言に気を付けよう」と思えば思うほど、失言しやすくなる感覚が形成されます。

 自分の言葉ではなく、人から言われた言葉でも同じです。「しなさい・しなければならない・してはいけない」などの教育的な言葉からも、意識的に気づけないだけでカリギュラ効果は生じています。

 このように、脳の中では常に相反する意識が生じているのですが、その意識のエラーは通常は一時的なもので、気づかない内に発生して、知らぬまに消えていきます。

 しかし、カリギュラ効果が異常に連続発生するような境遇の中で長期間過ごすと、その意識のエラーが脳に定着してしまい、一時的な現象ではなくなってしまうのです。

 例えば虐待的環境や、意識高い人からの偏った思想の強要、日常的に罵倒されるブラック環境などは、意識のエラーの定着が起きやすいと指摘できます。

 

参考

カリギュラ効果(カリギュラこうか)とは、禁止されるほどやってみたくなる心理現象のことをいう[1]。例えば、「お前達は見るな」と情報の閲覧を禁止されると、むしろかえって見たくなる心理現象が挙げられる[2]。

カリギュラ効果 - Wikipedia

 

食べ物――中毒性

 人は何にでも依存しますが、特に食べ物の成分には注意が必要です。人は摂取した食べ物の成分に影響を受けやすく、興奮したり依存的になったりします。

 食べ物が原因で発達障害になる、ではなく、「食べ物の成分が原因で、依存になりやすい(発達障害の症状を抱えやすい脳)の状態になったり、依存度が増強される」と考えます。

 食品添加物などの刺激物は特に怪しく、それらは特に、子供や若者たちが好むジュースや菓子、インスタント食品類などに多く含まれています。繰り返し摂取することで、毎日微量ずつ依存性物質を摂取していることになり、脳の性質に影響すると考えます。

 

娯楽――感情の津波

 娯楽は依存性を有しています。特に「勝った・負けた」などの結果が、感情を大きく揺さぶるからです。

 感情のことは、砂浜に打ち寄せる波をイメージしてください。波には穏やかな状態と、荒れた状態がありますよね。楽しい、嬉しいといった気持ちは、波が大きくうねっている状態ですので、荒れた状態となります。

 時間が経てば荒れた状態の波は落ち着きますが、人はまた大きな波のうねりを求めてしまうのです。楽しい体験なら猶更です。

 この時、「お金がない・時間がない」などの理由で我慢を強いられると、今度は苦しみや不安の波が押し寄せます。

 満たすことができたとしても、大きな波が引いた後は、それと同じくらいの不安の波が押し寄せるようになり、より大きくて楽しい波を求めるようになります。

 このように、娯楽は大きな波を求め続けてしまう意識のサイクルを形成しやすいので、高い依存性を有していると指摘できます。

 

発症要因の話まとめ

 ほとんどの人達は、言葉や食べ物、娯楽の影響により、子供の頃から無自覚の内に脳の働き方が依存的になります。

 依存症に陥るということは、関心が偏り、関心が向いていない分野に対しては、感覚が麻痺します。

 その脳の状態のまま生きることで、社会性や習得力、常識が偏った人が形成されます。そのルートを回避することは社会の性質からみてほぼ不可能と考えます。

 両親がなんらかの依存症を抱えていたなど、遺伝的要因で生まれつき依存体質だった場合は、幼い頃から言動面に落ち着きがない等の、発達障害の話でよく挙げられる特徴が顕著に表れることでしょう。

 更にその中の一部の人達が、環境要因などの事情で、平均的な能力を習得できないまま育ってしまい、大人の発達障害と呼ばれる状態に陥ってしまうと、本マニュアルでは考えています。

 学業を終えて社会に出ても、依存から逃れることはできません。

 教育、娯楽、嗜好品。これらの依存コンテンツが充実し易い先進国では、発達障害者が否応なしに多くなるでしょう。

 

図解
発達障害の定説的な認識

 下記図は発達障害の定説的な認識を表した図です。生まれた時点で「定型発達」か「発達障害」かが分かれており、その後は親の育て方などは関係なく、発達障害に生まれた人は発達障害的人生を送ると考えられています。

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本マニュアルの考察

 下記図は本マニュアルの考察を表した図です。上記の定説との違いとして、まず発達障害の因子となる依存体質を、生まれつき抱えているかどうかで分かれています。

  • 先天性の発達障害は「生まれた時点で重度の依存症に陥っている状態」
  • 後天性の発達障害は「無自覚の内に重度の依存症に陥った状態」

 その後は行先となる段階が違うだけで、誰しもが発達障害の症状を抱えるか否かのテーブルに乗る、という考え方です。

 

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参考記事

 

第3章 発達障害特徴の攻略法

 3章では発達障害の特徴として挙げられやすいケアレスミスやコミュ障などの改善方法を記します。

 

3.1 集中困難の攻略法

 集中困難の症状は不注意、多動性、衝動性の3つに分けて考えることができます。この内、多動性と衝動性に関しては、周囲が振り回されてしまう等の課題を抱えつつも、個性や能力として認められやすい一面があります。

 しかし、不注意に関しては評価や利益に繋げにくい特徴であると言わざるを得ず、今日も多くの人が治療法を求めています。

 どれだけ気を付けても、明らかに普通じゃない頻度でミスをしてしまうので、働くことが怖くなり、最終的には死にたくなる症状です。

 

不注意の攻略法

  感覚を分割する脳の使い方を、普段の意識の働き方として定着させることで、不注意特徴は大きく緩和します。

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 まず、不注意を起こしやすい感覚と、起こしにくい感覚を別々に体験していただきます。メモ用紙とペンを用意してください。

 用意が出来たら、ランダムに出力した上記(15字×3列)の文字を、下記2つの方法で紙に書き写してください。

 

A:なるべく画像を見ないで、一度の多くの文字を書き写してください。

 

B:一文字書く毎に画像を確認して、一文字ずつ書き写してください。

 

 Aは早く最後まで書き写せますが、書き損じが起こりやすい、つまり不注意を起こしやすい感覚だったと思います。

 対してBは、一文字ずつ書き写す為に遅いですが、確認しながら行うので、不注意が起こりにくい感覚だったと言えますね。

 ですから、速度はAのまま、感覚の使い方だけBになればよいわけです。

 この感覚の違いを覚えた上で、日常で同様の動作を試行します。

 例えば、コップや何かを掴む時、ドアを開けやり閉めたりする時など、体を動かす時は、Bの感覚をイメージしながら、コマ送りで動作してください。

 普段なら1回動くだけで済ませる動作を、何百にも分割して動作する感じで、一瞬動く…一瞬停止する…一瞬動く…と、感覚を分断しながら1mmずつ動くパントマイムをする、ということです。

 外でやると変な人になってしまうので、家の中でやりましょう。 

 最初の一週間は「感覚の分断」と「動作のコマ送り」両方を行い、ニ週間目からは「感覚の分断」だけを意識して、動作自体はコマ送りではない通常の動きで試行します。

 最初の一週間の試行で、感覚を分断する意識の使い方が脳に癖として定着していれば、二週間目以降では通常速度の動きをしていても、感覚が分断されている感覚を感じ取れると思います。

 この感覚が自然体になれば、不注意のトリガーとなる、確認をせずにやり進めてしまったり、ミスをしているのに気が付かないまま先に進んでしまうといったことが起こりにくくなります。 

 初期の変化として、「やる前に確認しよう」とか「さっきやったことを再確認しておこう」といった、一時停止させた感覚を意識の中に差し込めるようになります。

 中盤からはそれが余裕をもってできるようになり、最終的には、確認をしながら動作することが当たり前になって、万一ミスをしても軽く流せるようになります。

 

参考記事

togetterまとめ

 

3.2 コミュ障の攻略法

 コミュ障特徴は、KY(空気が読めない)、失言、口下手、話が長い、会話の独占など、様々な形で現れます。コミュニケーションの感覚は人それぞれ違いますが、この症状を抱えていると、シチュエーションを問わず、相手のことや状況に対応した会話ができず、常に対人トラブルを起こしてしまいます。

 対人トラブルを起こさないように、どれだけ言葉に気を付けていても、どこでもいつでも人を怒らせたり悲しませたりしてしまうので、人と関わることが怖くなり、最終的には死にたくなります。

 

コミュ障特徴の攻略法 その1 感覚の特定

 コミュ障特徴は、コミュニケーション感覚を再構築することでしか治せません。言動の表面に対して注意を払っても、一時凌ぎにしかならないからです。

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 まずは普通の会話をする上で基盤となる感覚を理解しましょう。

 上記画像には左側に正方形の図、右側に問題文があります。問題文の内容に沿って、正方形を説明する文章をつくってみてください。

 1は、自分の知ってる言葉の中から、相手が知ってる言葉にピントを合わせる感覚をつくります。

 2は、相手に伝えたい言葉を、コンパクトにまとめる感覚をつくります。

 3は、言葉を考える上で、相手の姿を意識する感覚をつくります。

 会話をする時に上記の感覚が基盤となるだけでも、相手をみて言葉をつくっていることになるので、コミュ障感はかなり薄れます。

 この感覚を最適に保つ為に、周囲がどんな言葉で会話をしているのか、いま何がトレンドなのかといった、周りの変化を自然と意識したくなるので、リアルタイムライン(場の空気に相当するもの)も感覚的に追えるようになります。

 正方形の説明文を考えるだけなので、電車やバスに乗っている時とか、一人で暇な時などにやってみてください。もちろん、題材は正方形じゃなくてもいいです。

 会話をしながら同時に、頭の中で言葉を検索してる感覚がつくられれば十分です。

 

参考記事

togetterまとめ

 

コミュ障特徴の攻略法 その2 認識の最適化

 その1の正方形の話は、会話をする上で基盤となる感覚をピンポイントで鍛えられるものですが、頭の中に浮かぶことが多すぎる人にとっては大変です。

 それは自分の意識に振り回されている状態であり、日常の中で意識したり認識したりする感覚を最適化する(減らす)ことで、症状を緩和することができます。

 やることは単純です。「一日の全てを記録する」というルールで、日記を書いてください。起きたこと、見たこと、思ったこと、感じたこと、考えたこと、やったことなど、全てを書き記す「スーパー日記」です。

 頭の中をぜんぶ文章にする、ということです。文章を書くことに慣れていない人にとっては、何時間もかかる作業になると思いますが、やってください。

 で、スーパー日記を二週間ほど続けたら、今度は「一日の全てを記録する」というルールはそのままに、「これは書かなくてもいい」と思えることを省いてください。つまり普通の日記を書く、ということです。そして、どんどん文章量を減らしてください。これ以上削ったらルール違反になる、と思えるくらいまで削ってください。

 本当になにも何事もない、いつもの日常だった日の日記は、メモ書き程度の少ない文章量になるはずです。

 スーパー日記をしたあとに普通の日記を書くことで、本当に意識しなければならないことだけに、意識のピントを合わせることができます。物事を意識することは脳にとって負担であるということも、合わせて実感することができるでしょう。

 

3.3 習得困難の攻略法

 人は多くのことを感覚的に処理しています。それが普通です。例えば、卵を割る時なんかも、いつもの感覚に任せて、あれこれ考えながら割ったりはしないと思います。卵の割り方を覚える時もそんな感じだったと思います。

 日常の動作で、ガラスのコップで水を飲んだあと、コップをテーブルに置く時に、力加減をいちいち意識したりしません。置く動作をとれば、力加減は自然と調整されているのが普通でしょう。

 それはガラスという性質の強度や、テーブルが平らであるという特徴を、感覚的に理解しているからできることなのです。

  

 経験したことがないなど、感覚的に処理できない場合は、主に「思考」を使います。初めて対応する業務では、意識のアンテナを張り巡らせて、困った状況に陥らないよう努めるでしょう。

 そして、いつもの日常に戻った時に、また感覚主導の意識に切り替えるわけです。いつまでも思考モードが主導になっていたら、脳が疲れてしまいます。

 

 しかし発達障害者など生き辛い界隈の人は、わからないだらけ、自分の考えとは違うだらけで、周囲についていくのが大変で、常に思考を主導とした意識になってしまっています。それが慢性化しており、平常時なら感覚的に処理できることさえも、できない状態に陥っているのです。

 

 これが、発達障害者の人が、誰でも見ればわかるようなことがわからなかったり、普通は簡単にできるようなことでも慎重にならざるを得ない理由です。

 何もかもを思考で処理しようとしてしまっているのです。

 

 余談ですが、不真面目な不良が仕事をサクサク進められる秘訣でもあります。頭を使わず、なんでも感覚的にやろうとするからですね。

 

 治し方は単純です。思考主導モードでロックがかかっているので、感覚主導モードに切り替わるまで脳を休めることです。なにも頑張ろうと思わず、何をするにも面倒臭いと思いながら日常を過ごしているくらいが理想です。何にも考えずに過ごしてください。

 普段からそういう状態に陥らない為には、どんな時も感覚主導をメインをすることが肝心です。思考は必要に応じて一時的に使うだけとして、初めて対応する業務など、どうしても思考を使う場合は、感覚で処理できる面を探りながら対応するといいでしょう。

 つまり、まず感覚で、思考はその後。この順番を基本としておくことで、思考モードでロックがかかってしまう厄介な意識の状態を回避できます。

 よくあるケースとして、処理方法がわからない業務を連続して処理することになった時は要注意です。

 あと、ビジネス用語を多用する相手と会話する時も気をつけてください。ビジネス語に強ければいいですが、そうでない場合は、その相手の話を聞いているだけで、話の内容を理解しようとして、脳が思考モードになってしまいます。

 

参考記事

toggeterまとめ

 

発達障害特徴の攻略法 まとめ

 第3章では、発達障害の代表的な症状の治し方についてお話ししました。

 この攻略法の価値をより正しく理解していただく為に、まとめでは3つの話をします。

 

1つ目 全ての特徴は連動している

 まず1つ目は、これらはそれぞれ独立しているようで、どこかで関係しているということです。例えばコミュ障特徴の失言なんかは、不注意特徴でお話した衝動性によるものだと言えますし、思考モードでロックがかかった状態は、自分の思ったことや考えたことが基準となるので、「場の空気」を無視した言動をしてしまいやすい状態だと言えます。

 自分は不注意だけだ、コミュ障特徴だけだ、という人でも、一応は全文に目を通したほうが良いと思います。

 

2つ目 訓練しなけれな治せない

 2つ目は、発達障害の症状は、脳に対して適切な訓練をしなければ治せないということです。

 不注意が酷い人に、「気を付けて」とか「集中して」と注意するだけでは、絶対に治りません。むしろケアレスミスを起こしやすい感覚A(一気に書き写しちゃう方)で意識が余計に固定されてしまい、頭が壊れます。

 コミュ障な人に周りのことを考えてと言っても、やはり注意だけでは治りません。なにをどう注意すればよいのか、手探りのまま意識することが増えるばかりで、頭が壊れます。

 できてないから、わからないからと、努力を意識して頑張っても、思考主導モードでロックがかかっている内はまず習得は叶わず、そればかりか、感覚的に処理できるはずのことさえも、頭を使わなきゃできないようになってしまい、やはり頭が壊れます。

 

3つ目 誤った教育感が浸透している

 3つ目は、この社会にはただの注意や怒ることに改善効果があると思い込んでいる人が多すぎるということです。むしろ逆効果で、このせいで生き辛い人たちがどんどん壊されています。

 発達障害の症状を治す取り組みの上では、現状、周囲の言葉が当てにできないので、自分の力でなんとかするしかありません。

 

 3つの話を通して全ての人にわかってほしいことは、この攻略法は私が半生をかけて編み出したものであり、一朝一夕の思い付きで考えたものではないということです。

 ほとんどの発達障害当事者は、この社会の中で、自分の症状に振り回されながら生きている境遇にあり、本マニュアルのように、当事者自らが発達障害の治し方を言語化した文章というものは、そこらにあるものではありません。

 私の攻略法は脳に対して強制力があり、全ての訓練は単独で実行が可能です。気に入ってくださった方は、ぜひ試してくださいね。

 

第3章の症状攻略法をまとめてKindle本を制作しました!

 

第4章 家庭環境について

 発達障害の発症要因と親の育て方は関係ないと言われていますが、本マニュアルでは関係するという前提で考えます。なぜなら、どんな育て方であろうと言葉や食べ物は用いますから、発達障害症状の基盤となるカリギュラ効果や、"意識が思考主導に遷移した状態"になることは避けられないからです。

 問題はその"程度"であり、脳が思考主導に遷移されてしまう頻度が多い家庭は不健全、少ない家庭は健全と考えます。

 教育の中で受ける躾、注意や叱るなどのコミュニケーションの中で、人の心理は一時的にも思考主導に陥ります。それが学習時に用いる感覚だからです。しかし、思考が主導であるうちは、感覚的に理解する能力が下がります。

 躾を頻繁に受ける教育だと、いつからか思考主導でロックがかかった状態となってしまい、第3章の3.3でお話ししたように、無意識の内に理解したり習得したりすることが難しい状態に陥ります。

 常に考えているようなことを話すので、周囲の大人からは賢い子供だと思われやすいですが、よほど好都合な環境や条件に恵まれない限り、当り前のことがわからないアホの子になります。

 注意や叱責を招く言動も余計に多発し、今度は自身のカリギュラ効果、「あれをしちゃいけない、こうしなきゃいけない」という恐怖に悩まされることになります。

 こうして、周りの子と同じように学校に行って遊んで生きているはずなのに、全く違った感覚を基準に育った人「発達障害者」が出来上がります。 

 

4.1 不健全な環境を形成する親の特徴
  • 人格が反社会的である
  • 夫婦喧嘩が絶えない
  • 宗教活動を熱心にしている
  • 家族や他人を見下している
  • 夜中に騒ぐなど近所に迷惑をかける
  • 家の食事にインスタント食品が多い
  • 発達障害や精神疾患の症状がみられる

 

 など、上記は一例です。一言でまとめると「考えたことが通用しない相手」です。一緒にいるだけで自分の意識は常に思考状態を余儀なくされます。それは極めて不健全な日常です。

 両親にこのような症状が多くみられる場合、自分の精神を守る為に、その環境から出た方が良いでしょう。例えこの記事の内容を聞かせても、理解して自分を改める思考回路を有していません。

 本章は「親と子」の関係性で話しましたが、「夫婦」の関係で読み替えることもできます。とにかくいるだけで思考主導でロックがかかってしまう相手や環境を避けてください。

 

参考記事

 

第5章 仕事について

 発達障害の症状を抱えた人にとって、仕事は最も重い課題です。個人事業で収入を得るとか、得意分野を仕事で活かすとか、障害に理解のある職場で働けることが理想ですが、そういった環境はそれまでの積み重ねや幸運も左右する為、誰にでも簡単に整えられる日常ではありません。せっかく就職できても障害の症状のせいで平穏が維持できず、自己都合退職に追い込まれるのです。

 そもそも、本マニュアルの第1章1.1で定義した人物像のような、発達障害の症状を抱えている人は、働ける状態ではありません。

 子供の頃から学業を終えるまで、自身の発達障害の症状に振り回されていますから、友人や社交などの人間関係は築けませんし、学校の授業の内容も頭に入っていないので、常識や知識の習得の不十分のままです。なんにも身についていない状態で社会に出ることになるのです。しかも意識は長期に思考主導でロックがかかっており、何をするにも不器用です。

 このように話していくと絶望しかないのですが、実は仕事についての考え方も、大部分は第4章の家庭環境編でお話したことと同じです。感覚主導で処理できる仕事に就くことが攻略のポイントなのです。特に、仕事で活かせる能力がない人は、これが最重要基準となるでしょう。

 以上を踏まえ、発達障害と相性の良い仕事の一例として、「警備士」の「第2号警備業務」について、大きな特徴を3つ解説します。

 

5.1 相性の良い仕事

 第2号警備業務とは、「交通誘導・雑踏警備業務」といって、工事現場やイベント会場など、人や車両の多い場所で事故の発生を警戒、防止する業務です。

 他、警備には第1号から第4号まであり、1号が施設警備業務、3号が貴重品運搬警備業務、4号を身辺警備業務と言います。

 

 これからお話しするのは2号警備のことです。

 

1つ目 対応型感覚の人が多い

 まずコミュニケーションで困らない。これが一番ありがたいです。警備士には事実をありのまま述べる説明力が求められます。発達障害など生き辛い境遇の人はその苦労故に、言語認識が自然と対応型の感覚に寄っていくわけですが、その自然体の感覚のままで意思疎通ができる、ということです。警備士の多くが対応型寄りの人なんです。

 

2つ目 感覚主導で対応可能

 業務の内容で困らないです。警備士の仕事で求められることは、ほとんどが「動作」と「声」だからです。道行く歩行者に「ゆっくりとお進みください」と言ったり、前から来る車両を誘導棒で静止して、進路を示して車を流す、これが仕事の大半です。現場の難易度にもよりますが、業務の大半が感覚主導で対応でき、習得も容易なのです。

 

3つ目 付帯業務が禁止

 依頼主との契約次第ですが、依頼内容である誘導業以外の「付帯業務」をすることは禁止されています。例えば、駐車場出入口での誘導中に、駐車場にゴミを見つけたとします。普通の感覚なら、そこで働いてるわけですから、ゴミを拾おうと思う場面ですが、誘導以外のことをしている間に、要誘導箇所で事故が起きたら大変です。無論、業務遂行の上で障害となることは対処しますが、原則として指示された業務しかやってはいけないのです。

 

5.2 相性の悪い仕事

 相性の悪い仕事とは、相性の良い仕事でポイントとしたことと、逆の感覚が求められる仕事です。

 コミュニケーションが感想型であり、業務は常に思考主導でなければ対応できず、気が付いたことも積極的に着手しなければ、注意を受けてしまうような仕事です。

 それらの特徴を多く揃えている代表的な仕事が、オフィス業務です。スーツを着てオフィスでデスクワークをして働く会社員のことです。

 もちろん、言語認識が感想型寄りの人で、思考主導にも耐えうる知識や教養、コミュ力があれが相性の良い仕事と言えますが、オフィス業務で求められることは能力ではなく、ある種の依存的な精神状態ですので、発達障害の人が目指すことはお勧めしません。

 

仕事の話まとめ

 発達障害の症状に振り回され、なにも習得しないまま社会に出たとしても、感覚主導で処理できる業務に就くことができれば、仕事の習得もしやすいですし、それだけでも不注意や失言、習得困難といった発達障害の症状も現れにくくなります。その生活を送っていくだけで、依存的な体質が少しずつ回復していくことだって望めます。

 発達障害の人に向く仕事の話では、「得意なことを活かせる仕事で~」とか、職業を挙げて説明されることが多いですが、そういう話は当てにはなりません。例えば成果が視覚化されている業種として製造業やプログラマーは確かに仕事がわかりやすく習得もしやすいですが、仕事の指示が感想型の言い方だったり、思考主導を余儀なくされる職場環境だと、結局、そこで働き続けることが大変になるのです。

 大雑把な言い方ですが、発達障害の人にとっては、「会話」する行為自体が脳に対して有害なんです。

 大事なことは、思考主導でロックがかかった状態を避けることで、その為にも、今の状態の自分でも無理なく処理できる仕事に就くことが要なのです。

 

参考記事

 

第6章 感情の使い方

 人間を語る上で「感情」は外せない観念です。人は感情の生き物だ、なんて語られることも多いですね。

 確かに感情は人生を豊かにしてくれる働きを持ちますが、時に人は感情に抗えなくなり、精神疾患の状態に陥ったり、過ちを犯してしまうことがあります。したがって、感情のコントロール力を習得することは、健全な人生を営む上でも必要不可欠なスキルだと言えるでしょう。

 

 故に、感情を煽られやすい境遇にいる生き辛い人たちにとっては、最大最難関の課題であるとも言えます。

 

 そういう意味でも、本章は最優先事項と言っても過言ではないのですが、習得難易度の高さから、ここまでに記した発達障害特徴の改善がある程度できており、家庭や仕事で抱える問題からも、距離を開けられている人向けの内容であると位置付けています。

 

 本章では、この感情のコントロール力を身に着ける上で、必要な考え方を記します。

 

6.1 感情の性質

感情は別の生き物

 感情はいつでも意識を乗っ取ろうとしてきます。感情のことは、自分とは別の生き物だと思いましょう。感情のことを自分の意思だと思っている内は、感情をコントロールする力を習得することはできません。

 

感情は波の性質を持つ

 感情とは、海の波のように、満ちたり引いたりする性質を持ちます。楽しかったり怒っている時は大きな波が来ている時で、悲しんだり不安に駆られている時は、波が引いている時です。通常、波は時間が経てば勝手に引いていきます。

 

静かな海が健全な状態

 海が荒れておらず、弱い波が寄せたり引いたりしている「静かな海」の状態が健全です。

 

 上記の感情の性質では、感情とは別の生き物であり、波の性質を持ち、静かな状態が健全であると書きました。

 しかし生き辛い境遇にいる人達の多くが、常に大きな波に見舞われている状態のまま生きています。

 それは自分または外部の要因により、長期間にわたって感情を煽られすぎたことで、その「感情の荒れた状態」が、平常時の状態として定着してしまったからなのです。

 例えば、楽しくて興奮することばかりやり続けたり、家庭や職場で怒られたり命令されてばかりだったりして、いつまでも波が引かない状態が長期間続いたということです。

 その波が引かない状態というのは、常に興奮している状態であるということです。細かい作業ができなくなったり、入眠困難に陥ったりします。つまり、発達障害の人がよく抱える脳のエラーに見舞われるということです。絶対に陥ってはいけない状態です。

 この状態を避ける為にも、まず自分の心構えとして、普段から「感情を使ったあとは休ませる」(波が満ちた後、寄せた後は、引くまで待つ)ことが重要です。「感情は使った後しまう」と覚えておきましょう。そして、感情を煽ってくる対象からは距離を置くこと。外部要因に対しては一番の対処法です。

 もう一度言います。感情は使ったら休ませる、これが基本であり鉄則です。感情を休ませるとは、感情を使わないことであり、それを実行する上で一番最適な方法は、寝ることです。

 感情を休ませられない環境にいる場合は、一日も早くそこから離れてください。

 

6.2 無視するべき感情

 感情には「現実の出来事に対応して発生した感情」「脳の癖で生じた感情」があります。

 この2つの内、脳の癖で発生した方の感情に関しては、特に意識する必要がなければ、無視して気にしないようしたほうが良いです。

 例えば、辛い境遇にいるせいで悲しくなった場合、その悲しみは現実の出来事に対応して発生したものと言えます。しかし、辛い境遇から脱出でき、辛くない環境にいる時にも、同様の悲しい感情が湧いてきた場合、それは脳の癖で発生した感情であると言えます。

 いま言語化したように認識できれば、本当はいま悲しくない、ということがわかります

 しかし「脳の癖で生じた感情」という分類ができることをわかっていないと、「今が悲しい」という認識が現実のものになってしまいます。そう思い込んでしまった人は、様々な機会を失ったり、逃すことになるでしょう。

 その感情が今の状況に対応したものであるかどうかを普段から意識することで、自分に騙されない意識を根付かせることができます。

 怒りやすい人や悲しみやすい人は、特に気にしてみてください。

 

参考記事

 

第7章 まとめ

 ここまで、発達障害症状の治し方から、家庭と仕事を軸とした日常を健全に保つ上で、ポイントなることを話しました。

 発達障害者が抱える主要な生き辛さはこれだけあり、平穏な日常を手に入れるには、とにもかくにもこの3つの課題をクリアする必要があるということです。

 

  • 感覚の習得:本マニュアルの攻略法を実践して、定型的感覚を理解し、平常時の感覚として定着させる。
  • 境遇の改善:発達障害症状の要因となる依存体質が悪化しないよう、依存の観点で考察できる対象をできるだけ遠ざける。
  • 回復と予防:依存体質が回復するよう、感情は使った後、休ませる。人は何にでも依存する。

 

 この3つの改善条件「感覚の習得・境遇の改善・回復と予防」を基準に日常を整えることで、生き辛さを伴う大きな悩みは、ほぼ解消に向かいます。

 稼ぐことより、心身を労わる生活ですが、当事者なら、そんな慎ましい生活でさえも維持することが困難だということを、人生の中で嫌というほど思い知っていると思います。

 

 私はなによりも、無理なく過ごせる日常を整えることが大事だと考えていて、そうして少しずつ余裕を作って、そこから生活や仕事の質をじっくりあげていけばいいのです。

 

 最後に、第2章でお見せした図解をもう一度ご確認ください。

 

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 発達障害の症状に悩む多くの人が、本図の第二段階の状態まで進んでいます。

 本マニュアルを頼りに、まずはケアレスミスやコミュ障等の症状をできるだけ緩和してください。3章で記した矯正法を何度か試行するだけでも、必要な感覚の当てが付くはずです。

 なかなか習得できないという人や、習得はできたけど生き辛さが解消されないという人は、他の要因を探ってください。

 家庭や仕事の環境が、第一段階の依存が増強されるような、感情を煽られるばかりの不健全な環境ではないですか? 第4章の家庭、5章の仕事、6章の感情の内容を、もう一度読み返してみてください。そのよう性質のある環境では、どれだけ頑張っても決して楽になれず、脳が疲れてしまいます。

 

 本マニュアルが広く共有され、生き辛い人にとっての出口となることを願います。

 

 

 

※リンク追記 2019/05/12

※本編の前に ちょこっと追記 2019/05/11

※発症要因の話まとめ、他 ちょこっと追記 2019/05/06

※図解と第7章ちょこっと書き換え 2019/01/29

※本マニュアルの特徴追記 2019/01/28

※第2章追記 2019/01/18 

※図解最新版に入れ替え 2019/01/17 

依存の説明部分追記 2019/01/12

※番外編削除 2019/01/03 

※全体的に書き換え 2019/01/01 

※第2章 一部書き換え 2018/11/29

※要約版へのリンク追記 2018/11/27

※第2章と第7章まとめ 追記 2018/11/17

※冒頭に追記 2018/10/22

※3章 習得困難の攻略法 追記 2018/9/29

※まとめ 一部書き換え。2018/8/19

※6章 無視するべき感情 追加。2018/7/28

※番外編 私の場合 追加。2018/7/9

※解説「発達障害特徴の克服について」追加。2018/7/8

※7章まとめに加筆。2018/7/7 

※習得困難の攻略法に加筆。2018/7/5

※図解、追加。2018/7/2

※感情の使い方、追加。他一部加筆。2018/7/1

※今後、加筆することもあるかと思いますが、一旦完成とします。感想などお待ちしていますm(_ _)m 2018/6/9