私は2014年よりAmazonのKindleでセルフ出版をしています。昨年19年には自分のそれまでの考察をまとめた発達障害考察本を制作しました。
2021年2月28日 追記
これまでGoogleドキュメントからエクスポートした(.docx)ファイルの原稿データでKindle本を制作してきましたが、AmazonKDP側から「論理目次がついていない」「行間隔が固定されている」との指摘を受けたので、「calibre」というツールを使った解決方法を追記しました。
今回の記事では、私のいつもの制作方法を中心に出版のやり方をお伝えします。「自分も発達障害の本を出したかった!」という人はぜひお読みください。
本編の前の補足
- KDP(kindle direct publishing)を利用します
- KDPの利用登録や税情報の入力方法など、本の制作や出版以外のところは省略します
- KDPの使い方は割と頻繁にかわります。今回の記事の内容は2020年6月29日時点の内容とご認識ください
KDP利用登録
ぐぐって最新のやり方を参考にくださいm(_ _)m
税情報の入力
これもぐぐってちょんまげ。なるべく新しいページ(2020年以降に書かれたページ)を参考にしてください。
書籍データーの制作
利用登録と税情報の入力を終えたら、あとは書籍データーの制作です。
Googleドキュメントを利用する
Kindle本はいろんな方法で制作できますが、私はいつも「Googleドキュメント」(https://www.google.com/intl/ja_jp/docs/about/)で制作しています。「目次をつける・挿絵をつける・改ページをする・文字を装飾する」など、電子書籍の構成に必要なことが簡単な操作でできるからです。
また「Googleドキュメントアプリ」と併用すれば、家ではパソコンで編集、出先ではスマホから編集など、いつでもどこでも制作中の本に手を加えることができます。スマホからKDPにアップロードすることも可能です。
本記事では既に制作を終えた発達障害考察本のドキュメントデーターを例に解説します。
「目次」のつけかた
目次は、「メニュー⇒挿入⇒目次」から挿入することができます。文章に設定した「見出し」が反映されます。
「見出し」のつけかた
ツールバーのスタイルから変更できます。ここで設定した「見出し1~4」は「目次」にも反映されます。ちなみに通常の文章は「標準テキスト」で、文章は設定の影響がない限り標準テキストとして扱われます。
「改稿」のやり方
改稿は、「メニュー⇒挿入⇒区切り⇒改ページ」からできます。章の区切り部分などで改稿しましょう。(画像の場所は「はじめに」と「第一章」の境目です)
「挿絵」のつけかた
挿絵は、「メニュー⇒画像」から挿入することができます。使いたい画像が保存されている場所を選んで挿入しましょう。
リンクの仕方
リンクに特別な設定は必要なく、URLを入力すれば自動的にリンクされます。電子書籍リーダーで読んでいる時にタッチするとブラウザ機能からURLのページが開かれます。
行間隔の設定の仕方(2021年2月28日追記)
全範囲に対して「行間隔」が「1」、段落前と後のポイントが「0」になっているように設定する。(ctrl+Aで全選択した後、「表示形式」→「行間隔」
書籍データーをエクスポートする
文章データーが完成したらエクスポートしましょう。いろいろ選べますが、文章と挿絵だけで構成された書籍データーなら、「MicrosoftWord(.docx)」で十分です。
論理目次の付け方(2021年2月28日追記)
下記記事を参考にしてください。
KDPにアップロードする
書籍データーが完成したらKDPにアップロードしましょう。
電子書籍の制作ボタンを押す
管理画面のトップにある電子書籍の制作ボタンを押しましょう。
「本の詳細」を入力する
ここではタイトル、著者情報、本の詳細、カテゴリなどを設定します。項目は多いですが、どれも単純な内容です。
「本のコンテンツ」を入力する
本のコンテンツを入力します。ここで前項で作成した書籍データーをアップロードします。
「右から左(縦書き)」を選択(アップロード前、後どちらでもOK)すれば、横読みで制作した原稿データを縦読みにすることもできます。
表紙データーをアップロードするのもこのページです。
アップロード後はプレイビュー機能から試し読みしましょう。(文字化けしていないか、最後のページまでアップロードされているか、など)
「本の価格設定」をする
最後に販売国や価格を設定します。販売国は、特別事情がない限りは「日本」だけにチェックを入れましょう。アメリカ合衆国など海外でも販売すると、税金対策が大変面倒です(本記事では解説していません)
ここまで終われば、後は審査の終了を待つだけです。お疲れ様でした。
完成版の状態は表紙⇒目次⇒本文の途中まで、「無料サンプル」でも確認できます。
拙著のKindle本なら同じ方法で制作された本なので、実際に制作することを検討している方は一度ご確認されることをお勧めします。文章と挿絵がメインの発達障害当事者本ならこれで十分だと思います。
(〝『アスペですが、なにか?』 映画パンフレット」〟のみ(.docx)のままです)
発達障害は医学から診ているのであって、医学ではありません。私はまだまだ当事者の実体験からなる考察が基準になると思います。それは「たまご」でしかないのかもしれませんが、私はまだこの時代はたまごを増やす時代だと思っていて、当事者発信の発達障害考察本がもっと増えてほしいと思っています。
以上。本記事が参考になれば幸いです。
スマホから制作・アップロードする場合
文書データーの制作とKDPへのアップロード作業はスマホからでもできます。本記事ではGoogleドキュメントアプリを使った方法を解説します。
エクスポートのやり方
- 画面右上の「・・・」をタッチして、「共有とエクスポート」をタッチ。
- 「コピーを送信」をタッチ
- 「Word(.docx)」をタッチして「OK」をタッチ
- 「"ファイル”に保存」をタッチ
- 「Chrome」(または任意の場所)をタッチした後「保存」をタッチ
アップロードのやり方
- スマホからKDPの電子書籍の制作ページを開く
- 「電子書籍の原稿をアップロード」ボタンをタッチ
- 書籍データーを保存したフォルダを開く
- アップロードする書籍データーのファイルを選択する
このやり方を覚えておけば、スマホ1台あればKindle本を制作できますし、例えば出先で誤字脱字に気が付いてすぐ修正したくなった場合でも、その場で改訂版をアップロードすることができます。
その他のこと
最後は本記事では詳細な解説をしない項目についても触れておきます。
ロイヤリティについて(35%? 70%?)
Kindle本のロイヤリティは35%か70%という破格の印税率です。70%の設定で販売したい場合は出版する書籍を「KDPセレクト」に登録する必要があります。
KDPセレクトに登録することはメリットもデメリットもありますので、Amazonのヘルプだけではなく、Googleから他の利用者の解説ページも参考にするといいでしょう。本記事では少しだけ解説します。
メリット
- ロイヤリティ70%で販売できる
- 無料販売期間を設定できる
- KindleUnlimitedやオーナーライブラリー(月1冊無料で読める)で無料で読またページ分からも収益が入る。
デメリット
- KindleUnlimitedやオーナーライブラリー(月1冊無料で読める)の対象になる為、実質無料で読まれてしまう
- Kindleストア独占販売となり、書籍内容を他の場所で掲載したり販売することが禁止となる
私のKindle本の内容は無料で掲載しているブログ記事をまとめたものなのですが、ブログ記事自体が宣伝の役目も担っているので、今のところKDPセレクトには登録していません。今後のブログのアクセス数次第では、KDPセレクトに登録するかもしれません。
横読みで制作したデーターを縦読みにした場合の注意点
docxで制作した場合ですが、横読み原稿データーを縦読みにした場合の注意点です。
- 「水平線」は縦読みだとうまく描写できなかったので使わないほうがいいです。
- 「番号付きリスト」は番号部分の数字が半角である為、縦読み描写だと文字が横を向いてしまうので使わない方がいいです。
文字と挿絵だけの小説は縦読み、文字と挿絵以外にもリストなどいろいろ挿入している場合は横読みをおすすめします。
出版後に本を改稿する場合
「本のコンテンツ」ページから改稿版の原稿データーをアップロードすれば、その後に購入した人の元には改稿後の最新版がダウンロードされます。
購入済の人へ改稿版データーを送信するには、まずKDPのお問合せから改稿した旨をAmazon側に連絡する必要があります。私はいつも下記のような文面で連絡しています。
下記のKindle本の内容を改訂しました。
ご確認の上、必要であれば読者への連絡をお願いします。改定内容は誤字脱字と不統一の修正であり、内容そのものに対する大きな変更はありません。
私としては、メール通知は不要で、「コンテンツと端末の管理」から更新できれば良いと考えております。
よろしくお願いします。
■改定した本
・発達障害考察本2: 心理校閲
・ASIN: B0855RHD29
■改定内容No.394 改稿
× ようやくプロローグと繋がりました。
〇 ようやく最初の話と繋がりました。
No.3096 脱字
× とうことであり
〇 ということであり
No.3827 不統一
× あぶりだし型脳に陥って
〇 あぶり出し型脳に陥って
全てのページに対して 不統一
・半角数字(1~9)を、全角数字(1~9)に変更
以上、ご確認ご対応のほど、よろしくお願いします。
Amazon側は連絡を受けた後、改稿内容や規模をみて、 下記の判断をします。
ご依頼をいただいてから 7 営業日以内に変更内容を審査し、問題が修正されたことを確認いたします。その後、次のいずれかの対応をさせていただきます。
- 致命的または深刻なエラーが修正された場合。 大幅な修正事項が見つかった場合は、すでに本を持っている読者に対してメールで通知します。読者は、Amazon の「コンテンツと端末の管理」ページで、修正版の本を受け取ることができます。
- 軽度のエラーが修正された場合。 軽度の修正事項が見つかった場合は、読者に対してメールで通知しません。ただし、読者は、Amazon の「コンテンツと端末の管理」ページでコンテンツを更新できます。
- 深刻なエラーに対する修正が必要な場合。 大幅な修正がさらに必要と見なされる場合は、その電子書籍の販売を一時的に中止します。Amazon で発見した問題を出版者にお知らせしますので、問題を修正してください。修正が済みましたら、Amazon までご連絡ください。大幅な修正を加えた場合と同様、修正が行われたことを読者にメールでお知らせします。
改稿に関する詳細はこちらのヘルプページから確認できます。
漫画本の制作方法について
Kindleのコミックは専用の制作ツールがあります。
使い方は、ツールを開いてタイトルや画像サイズなどの設定を入力して、漫画の画像データーを入れたら、エクスポートするだけです。(このツール上で漫画を描くのではありません)
特にこれといって解説することがないので他のサイト様を頼ってください。
このツールを用いて制作したのが下記のkindleコミック(無料)です。漫画の画像データーさえあればすぐに作れますよ。